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トラックのギアが入りにくい場合に考えられる原因って?対処法も紹介

はたらくクルマコラム

トラックのギアが入りにくい場合に考えられる原因って?対処法も紹介

「トラックのギアが入りにくい…」という状況にお困りでしょうか。

トラックでスムーズにギアが切り替えられないと、運転に支障が出るだけでなく、安全性にも影響する可能性があります。特に業務で長時間トラックを運転する方にとっては、ギアの不具合は日々の業務で大きなストレスとなりかねません。

今回の記事では、トラックのギアが入りにくい場合に考えられる原因や、対処法などを解説します。ギアが入りにくいトラブルでお困りの方はぜひ参考にしてください。

トラックのギアの仕組み

トラックのギアは、エンジンの回転力を効率的にタイヤに伝えるための重要な部分です。エンジンは一定の回転数で動作しますが、走行状況に応じて適切なトルクやスピードに変換する必要があります。その役割を担っているのが「トランスミッション(変速機)」と呼ばれる装置です。

多くのトラックでは、マニュアルトランスミッション(MT)が採用されており、ドライバーがクラッチペダルを踏んでエンジンとトランスミッションの接続を一時的に切り離し、シフトレバーを操作してギアの段数を切り替えます。ギアの段数を変えることで、発進時には力強いトルクを確保し、高速走行時には燃費を良くするといった調整が可能になります。

近年では、クラッチ操作を自動化したセミオートマチックトランスミッション(AMT)を搭載したトラックも増えており、ドライバーの負担を軽減しながら、効率的な走行を実現しています。AMTは渋滞時や頻繁な発進・停止が必要な場面で特に有効で、運転技術にかかわらず安定した走行が可能です。

このように、トラックのギアは単なる「スピード調整」の役割だけでなく、積載量や路面状況に応じて走行性能を最適化するための重要なシステムなのです。日々の運行を支える基盤として、適切な整備と操作が求められます。

トラックのギアが入りにくい場合に考えられる原因

トラックのギアが入りにくい場合に考えられる原因

トラックのギアがスムーズに入らないと、発進や加速時に支障が出るだけでなく、安全性や運転操作にも大きな影響を及ぼします。ギアが入りにくい症状が現れた場合、いくつかの機械的なトラブルや部品の劣化が考えられます。

主な原因としては「クラッチ系統の不具合」「ミッション本体の異常」「シンクロメッシュの劣化」の3つが挙げられます。

それぞれの詳細を以下で解説します。

クラッチ系統の不具合

ギアの切り替えに欠かせないクラッチに異常があると、ギアがうまくかみ合わず、入りにくい状態になることがあります。クラッチペダルを踏んでも十分に切り離せない場合、クラッチマスターシリンダーやレリーズシリンダーの不調、クラッチ板の摩耗などの可能性があります。クラッチが正しく動作しないと、ミッション側との間に不要な抵抗が生じ、ギアチェンジに支障が出ることになります。ペダルの踏み込み量や戻りの感覚がいつもと違う場合は、クラッチ系統の不具合を疑ったほうが良いでしょう。

ミッション本体の異常

トランスミッションそのものに問題が発生している場合も、ギアが入りにくい状態になっている原因として挙げられます。ギアの歯車の摩耗や、内部でのオイル不足・劣化により、ギア同士がうまくかみ合わなくなることがあります。また、内部部品の破損や変形により、ギアチェンジの動作が妨げられるケースもあります。それらはトランスミッション全体に関わる深刻な不具合の可能性があります。異音やオイル漏れ、ギアの引っかかりを感じた場合は、早めに点検を受けて修理を依頼したほうが良いです。症状を放置すると、走行不能や高額修理につながるリスクもあります。

シンクロメッシュの劣化

シンクロメッシュは、ギアを滑らかに切り替えるために速度を合わせる装置であり、マニュアルトランスミッションでは重要な役割を果たします。その部分が摩耗・劣化すると、ギアの回転速度が合わず、ギアを入れようとしても弾かれるような感覚になることがあります。走行距離が多いトラックや長年使用されている車両では、経年劣化による不具合が起きやすくなります。特に低速ギアでの入りづらさや、ギアを入れる際の引っかかり、異音が発生する場合は、シンクロメッシュの摩耗が進んでいるサインです。

トラックのギアが入りにくい場合の対処法

トラックのギアが入りにくい場合の対処法

ギアがスムーズに入らないと、運転中にストレスを感じるだけでなく、走行にも支障をきたします。まずは落ち着いて、以下のような対処を試みましょう。

一時的な応急処置として有効なのが「ダブルクラッチ」です。クラッチを2度踏むことで、エンジンとミッションの回転差を合わせ、ギアの入りを良くする運転技術です。ギアをニュートラルに戻した状態でいったんクラッチを戻し、アクセルを軽く踏んで回転数を合わせてから、もう一度クラッチを踏んでシフトを入れるという手順です。特に古いトラックやミッションの劣化が進んでいる車両では、この方法が有効な場合があります。

ただし、これはあくまで一時的な対処であり、根本的な解決にはなりません。繰り返し発生する場合には車両のコンディション自体が悪化していることも考えられます。クラッチやミッション系統に異常がある可能性が高いため、早めに専門的な点検を依頼することをおすすめします。無理に運転を続けると、部品の破損や重大なトラブルにつながる恐れがあるため注意が必要です。

トラックのギアが入りにくい場合には

今回は「トラックのギアが入りにくい場合に考えられる原因と対処法」を中心に解説しました。トラックのギアが入りにくい症状は、クラッチやミッション、シンクロメッシュといった部品の劣化や不具合が原因となることがあります。

放置しておくとさらなる故障や事故につながるおそれがあるため、早期の点検と適切な対処が重要です。違和感を覚えた際には、専門的な点検を受けて、修理等を検討しましょう。

なお、トラックの修理や買い替えを検討されている場合には、ぜひ「トラックランド」にご相談ください。高品質な車両を適正価格で提供しており、全国にあるネットワークを活かしてご希望の車両をお探しすることも可能です。また、月額定額で利用できる「サブスクdeスグのり」サービスも提供しており、初期費用を抑えた柔軟な導入もできます。

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この記事を監修した人

この記事を監修した人 トラックランド管理人:高良

神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
これまでに監修した記事は200件以上!中古トラックに関する豊富な知識と経験を活かし、中古トラック業界の最新情報やお役立ち情報を発信しています。

実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。

趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。

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