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トラックのハンドルが小刻みに震えるのはなぜ?シミー現象の原因・対処法を解説

はたらくクルマコラム

トラックのハンドルが小刻みに震えるのはなぜ?シミー現象の原因・対処法を解説

日々のトラックの運転の中で感じる違和感が、思わぬトラブルの前兆であることも少なくありません。

特にハンドルが小刻みに震えるような現象は、安全性にも関わる問題であるため、正しい理解と適切な対応が求められます。

今回の記事では、トラックのハンドルが小刻みに震える際に考えられる原因や、発生した場合の対処法について、解説していきます。トラックドライバーや車両管理者の方は、ぜひ参考にしてください。

トラックのハンドルが小刻みに震えるのはなぜ?

トラックのハンドルが小刻みに震えるのはなぜ?

運転中にハンドルが小刻みに震える現象は「シミー現象」と呼ばれており、トラックをはじめとした大型車両で比較的よく見られるトラブルの一つです。

シミー現象は、主に前輪に広がる微細な振動がステアリングに連動して発生する現象で、車両の構造や状態など様々な原因によって発生します。

シミー現象が起こる主な原因としては、「タイヤの摩耗・変形」「ホイールの変形」「ステアリング系統の劣化や緩み」などが挙げられます。

タイヤの摩耗・変形

シミー現象の原因として最も多く見られるのが、タイヤの摩耗や変形です。特に左右での摩耗の進行具合に差がある場合や、偏った摩耗(偏摩耗)が発生している場合には、車両全体のバランスが崩れ、走行中に不規則な振動が生じやすくなります。また、空気圧の違いやパンク寸前の状態も、車体の揺れやハンドルのブレを引き起こす一因となります。

タイヤは車両と路面をつなぐ唯一の接点であり、その状態は走行の安定性に直結します。トレッドの深さや偏摩耗の有無、空気圧の適正さを日常的に確認し、異常が見られる場合には速やかに点検・交換を行うことが、シミー現象の予防と安全運転の維持につながります。

ホイールの変形

タイヤと同様に、ホイールの変形もハンドルが小刻みに震える現象を引き起こす大きな要因です。縁石に強く乗り上げた場合や段差に勢いよく衝突した際に、ホイールがわずかに歪むことがあります。その歪みは、見た目には分かりづらい場合もありますが、回転バランスが崩れることで走行時に振動として現れ、ステアリングを通じてドライバーに伝わります。

特に高速走行中は、ホイールのわずかな変形が大きな振動として顕著に現れるため、注意が必要です。ホイールバランスのズレを修正するバランス調整や、変形が明らかな場合には新品への交換が推奨されます。走行中に異音や振動を感じた場合は、ホイールの状態も点検したほうが良いでしょう。

ステアリング系統の劣化や緩み

ハンドルの小刻みな震えは、ステアリング系統の劣化や部品の緩みが原因であることも多く見受けられます。タイロッドやピットマンアームといったステアリングに関連する部品が摩耗・劣化している場合や、固定ボルトが緩んでいる場合、操作に遊びが生じ、走行中の路面振動がそのままステアリングに伝わるようになります。

特に年式の古い車両や走行距離が多いトラックにおいて起こりやすく、定期的な点検と締め付けチェックが不可欠です。異音や違和感がある場合は放置せず、早めに専門工場で点検・修理を受けることが、トラブルの拡大を防ぐためにも重要です。

放置するリスク

ハンドルが小刻みに震える状態を放置すると、様々な問題が生じる可能性があります。単なる不快感にとどまらず、安全運行に支障をきたす深刻なトラブルにつながることもあるため、早めの対応が重要です。

まず、ハンドリング性能が低下し、緊急時の操作が難しくなったり、車線変更やカーブ走行時に思わぬ挙動を引き起こす恐れがあります。また、振動によって他の部品にも負担がかかるため、ボルトの緩みや電装系への悪影響など、二次的な故障を誘発するリスクも無視できません。長期間放置することで修理箇所が増え、結果的に修理費用が高額になることもあります。

シミー現象を軽視すると、安全性・経済性・快適性のすべてに悪影響を及ぼすため、異常を感じたらすぐに対処することが大切です。

シミー現象の対処・予防法

シミー現象の対処・予防法

最後に、ハンドルが小刻みに震える場合の対処法・予防法を解説します。

急な異常時の対処法

走行中に突然ハンドルが小刻みに震える現象が発生した場合、まずは落ち着いて行動することが重要です。振動を感じたら無理にスピードを出さず、周囲の交通状況を確認しながら徐々に減速し、安全な場所に停車させましょう。高速道路上であれば、最寄りのサービスエリアやパーキングエリア、または路肩の安全帯に停車します。

停車後は、まずタイヤとホイールに異常がないかを目視で確認しましょう。タイヤの空気圧低下、パンク、偏摩耗、ホイールの歪みなどが見つかることがあります。タイヤやホイールに目立った破損があれば、走行を控え、ロードサービスや整備業者への連絡を優先しましょう。

未然に防ぐための予防策

シミー現象の予防には、タイヤの定期的な点検と管理がもっとも基本的かつ効果的です。
まず、空気圧の管理は欠かせません。空気圧が適正でないと、タイヤがたわみやすくなり、均一に接地しなくなることで車体が不安定になります。

特に一部のタイヤだけ空気圧が低下している場合、左右のバランスが崩れてシミー現象を引き起こすリスクが高まります。最低でも月に一度は空気圧をチェックし、メーカー推奨値に調整することが大切です。

偏摩耗や外傷のチェックもポイントです。トレッド面の片側だけが極端に摩耗していたり、タイヤに亀裂や膨らみがある場合は、走行時のバランスが崩れやすくなります。また、タイヤの寿命を迎えている状態での走行も、シミー現象の原因になり得ます。スリップサインが出ていないか、表面に異常がないかを定期的に確認し、異常があればすぐに交換を検討しましょう。

タイヤの定期的なローテーションも効果的な対策のひとつです。前輪と後輪では負担のかかり方が異なるため、タイヤを定期的に入れ替えることで摩耗を均一化し、シミー現象の発生リスクを抑えることができます。

このように、タイヤの状態を良好に保つことは、シミー現象の予防に直結します。日々のチェックを習慣づけ、少しでも異変を感じたら早めの対応を心がけましょう。

トラックのハンドルが小刻みに震える場合には

トラックのハンドルが小刻みに震えるのは「シミー現象」と言われており、タイヤやホイールの異常、ステアリングの部品劣化など、様々な要因によって発生します。見過ごしてしまうと、走行の安全性に影響を及ぼすため、早めの点検・対処が重要です。日常点検と定期的なメンテナンスを心がけることで、未然に防ぐことができます。

なお、トラックの買い替えや修理の依頼を検討されている場合には、トラックランドにご相談ください。高品質な中古トラックを多数取り揃えており、在庫にない場合でも全国ネットワークを活かしてご希望の車両をお探しするサービスを実施しております。グループ会社「陸送ネット」と連携し、車検や登録、整備・陸送までワンストップで対応し、安心してご利用いただける環境を整えておりますので、まずは、お気軽にご相談ください。

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この記事を監修した人

この記事を監修した人 トラックランド管理人:高良

神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
これまでに監修した記事は200件以上!中古トラックに関する豊富な知識と経験を活かし、中古トラック業界の最新情報やお役立ち情報を発信しています。

実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。

趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。

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