トラックとひと口に言っても、その種類や構造は様々で、車体サイズや荷台の形状だけでなく、キャビン(運転席)にも種類があります。
今回の記事では、キャビンの種類の一つである「ダブルキャブ」について、基本的な概要から、その特徴、メリット・デメリットまでをわかりやすく解説していきます。
トラックのダブルキャブについて知りたい方や、購入を検討されている方はぜひチェックしてください。
トラックのダブルキャブとは?
一般的なトラックに比べてキャビン(運転席とその後ろの座席部分)が広く、前列に加えて後部座席を備えたトラックのことを指します。通常の「シングルキャブ」ではドライバーと1~2名の乗車が想定されていますが、ダブルキャブは最大で5~7名が乗車可能で、作業員の移動や現場作業向けの車両として重宝されています。
その構造により、1台で人と荷物の両方を運ぶことができるため、効率的な運用が可能になります。なお、基本的にダブルキャブのトラックの荷台は「平ボディ」「ダンプ」「クレーン付き」に限られます。
主な用途
建設・土木業界では、作業員と資材を一度に現場へ輸送するためにダブルキャブが重宝されます。また、電気工事や水道設備などのインフラ関連業務でも、現場スタッフと工具・機材を同時に運搬できる効率の良さが支持されています。
さらに、自治体や消防、道路整備などの公共事業用途としても活用されることが多く、複数人での移動や緊急対応が求められる場面に適しています。また、造園業や農業といった分野でも、作業チームと資材を一緒に運べる機動性の高さが活きる場面が多く見られます。
主な車種
ダブルキャブ仕様は主に小型トラックに多く見られます。以下はダブルキャブ仕様もある代表的な車種です。
日野・デュトロ
日野の小型トラック「デュトロ」のダブルキャブ仕様は前後2列の座席で6~7名の乗車が可能。現場作業員の送迎に適した設計で、用途に応じた最適な組み合わせが可能です。
三菱ふそう・キャンター
パワフルなエンジンを搭載し、高い環境性能と燃費性能を両立している三菱ふそうの小型トラック「キャンター」。ワイドキャブやロングボディにも対応しており、作業人数と荷物量の両方に配慮されたバランスの良いモデルです。
いすゞ・エルフ
国内トップクラスの人気を誇る小型トラックで、ダブルキャブ仕様でも高い安全性と操作性を備えています。前席・後席ともに広々とした設計で、後席ステップやグリップなど乗降性への配慮もされています。
UDトラックス・カゼット
UDトラックスの小型トラック「カゼット」にもダブルキャブ仕様があります。高い燃費性能と快適性に加え、安全装備も充実しています。
ダブルキャブのメリット・デメリット
ここからは、ダブルキャブのトラックの具体的なメリット・デメリットを紹介します。
メリット
ダブルキャブのトラックには様々なメリットがあります。
乗車定員の多さによる効率化が可能
最大のメリットは、より多くの人が乗れることによる効率性の高さです。一般的なシングルキャブではドライバーを含めて2〜3人しか乗れませんが、ダブルキャブであれば最大6~7人程度が乗車可能で、作業チームごと1台で現場に移動できるため、車両の台数を減らすことができ、効率的かつ経済的です。
荷物の分別管理ができる
後部座席には工具や資材などの貴重品を一時的に保管するスペースとしても活用でき、荷台とは分けて管理したい荷物がある場合にも対応できます。
休憩スペースとしても利用できる
天候の悪い日などに、乗員が休憩を取るスペースとしても使えるため、実用性と快適性が両立された車両といえます。運転席と助手席以外に座席があることで、ドライバーの交代要員を同乗させられる点もメリットのひとつです。長距離輸送や出張先での作業など、運転を交代しながら移動できるため、安全運転の維持や労務管理にも役立つでしょう。
現場作業や出張が多い業種にとって、ダブルキャブは作業の効率化とコスト削減を実現できます。
デメリット
ダブルキャブトラックは利便性が高い一方で、いくつかのデメリットも存在します。
荷台スペースが狭くなる
まず、キャビンが大きいため荷台スペースがその分短くなるという点が挙げられます。荷物の量が多い業務や、長尺物の運搬が多い現場では、積載量の制限が課題となることもあるでしょう。
車両価格・燃費コストが高くなる
キャビンの構造が複雑になる分、車両本体の価格が高くなる傾向があり、シングルキャブに比べて初期コストが上がる点にも注意が必要です。加えて、乗車定員が多くなることで、燃料消費がやや増えるケースもあり、燃費効率の面でも若干の不利が生じることもあります。
取り回しに注意が必要
全長がやや長くなることで小回りが利きにくくなる点も運転時の負担要素の一つです。狭い道や市街地での取り回しには注意が必要で、慣れていないドライバーにとっては運転しにくいと感じられるかもしれません。
このように、ダブルキャブには多人数乗車という明確な利点がある反面、積載量の制限、コスト面、取り回しの難しさといった注意点があり、それらの要素も踏まえた上で導入の可否を検討することが重要です。用途や業務形態に応じて、最適なタイプを選びましょう。
ダブルキャブのトラックをお探しなら
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トラックのダブルキャブについて
ダブルキャブとは、前後2列の座席を備えたトラックのことで、乗員数が多く、人と荷物を同時により多く運べるのが大きな特徴です。小型トラックを中心に多くのメーカーが展開しており、建設現場や造園業、公共作業など様々な現場で活躍しています。
メリットとしては複数人での移動が可能で利便性が高い一方、荷台スペースがやや狭くなるといった点には注意が必要です。ダブルキャブのトラックをお探しの方は、豊富な在庫でサポート体制が整ったトラックランドのご利用をぜひご検討ください。
この記事を監修した人

神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
これまでに監修した記事は200件以上!中古トラックに関する豊富な知識と経験を活かし、中古トラック業界の最新情報やお役立ち情報を発信しています。
実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。
趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。
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