トラックのキャビンやボディに傷がついてしまうのは、日常的に運行していれば避けられないことです。軽い擦り傷や小さな塗装の剥がれの場合に「自分で直したい」と考えるドライバーは多いのでしょう。
今回の記事では、トラックの傷消しを自分で行う際の基本的な方法や注意点、業者に依頼する場合の費用などを解説します。
トラックの傷消しについて知りたい方はぜひ参考にしていただければと思います。
トラックの傷の原因は?
トラックのキャビンやボディに関しては、様々なことが原因で傷が生じます。もっとも一般的なのが擦り傷や引っかき傷で、狭い現場などでの荷下ろし作業中に障害物に接触したり、樹木の枝やフェンスなどに触れたりすることで発生します。また、荷物の積み降ろし時に工具や資材がボディに当たることで、傷をつけてしまうケースも少なくありません。
さらに、高速道路や未舗装路を走行する際に発生する飛び石による小さなへこみや塗装剥がれもよく見られます。
そうした傷をそのまま放置すると、傷口から水分や汚れが入り込んでサビや腐食が進行しやすくなり、車両の耐久性を損ねる要因となります。さらに、営業車両の場合、傷が目立つと企業イメージにも悪影響を及ぼす可能性があるため、早めに対処することが重要です。
トラックの傷消し方法
トラックの傷消しを自分で行う場合、「タッチペン」を使う方法や「コンパウンド」を使う方法があります。
それぞれの特徴や、手順などを解説します。
タッチペン
車両にできた小さな傷や塗装の剥がれを補修するために使われるペン型の塗料があります。それは「タッチペン」と呼ばれ、メーカー純正の商品や互換品もあり、ホームセンターやネット通販などで比較的安価で販売されているため手軽に購入することができます。
タッチペンを購入する際には、車両の色に合ったものを選ぶ必要があります。「カラーコード」を確認し、それに合う製品を購入しましょう。カラーコードは車両のドア付近やエンジンルーム内に記載されていることが多く、取扱説明書にも載っています。色が合っていないと、補修部分がかえって目立ってしまう恐れがあります。
【使用手順】
まず傷の周囲を洗車し、汚れや油分、水分をしっかり落とすのが基本です。きれいにしておかないと塗料が定着しにくく、仕上がりにも影響します。市販の脱脂剤を使って脱脂しておくと、塗料の密着性が高まります。次に、タッチペンをよく振って中の塗料を均一に混ぜます。
塗布の際は、少量ずつ塗ることを意識し、傷の範囲内にのみ丁寧に塗っていきます。一度に厚く塗るとムラや垂れの原因になるため、薄く塗って乾かす作業を2〜3回繰り返すのがポイントです。
コンパウンド
車両の塗装面にできた細かい擦り傷、くすみ、洗車キズなどを目立たなくするための研磨剤です。塗装表面をごくわずかに削り、凹凸をならすことで、傷を見えにくくします。傷の補修だけでなく、ツヤ出しや仕上げ目的でも使用されます。
コンパウンドには「粗目」「中目」「細目」などの粒子の大きさの違いがあり、傷の深さや目的に応じて使い分ける必要があります。浅い傷には細目や仕上げ用のコンパウンド、やや深めの傷には中目や粗目を選ぶと良いでしょう。
【使用手順】
まず傷の周囲をしっかり洗車し、砂やホコリを完全に落としたうえで、塗装面をしっかり乾燥させます。異物が残ったまま磨くと、かえって傷を増やしてしまうことがあるため注意が必要です。次に、柔らかいクロスや専用のスポンジにコンパウンドを少量取り、円を描くように軽い力で優しく磨いていきます。力を入れすぎると塗装を削りすぎてしまうため、丁寧に作業することが重要です。
磨いたあとは柔らかい乾いたクロスで表面を拭き取り、仕上がりを確認します。必要に応じて、粒子の細かいコンパウンドに切り替えて再度磨くことで、さらに光沢を出すことができます。最後にワックスやコーティング剤を塗布すれば、艶が加わり、見た目も美しくなります。
トラックの傷消しを自分でやる場合の注意点
タッチペンやコンパウンドを使用すればトラックの傷消しを自分で行うことも可能ですが、いくつかの注意点があります。まず、作業に慣れていないと仕上がりにムラが出やすいという点です。タッチペンやコンパウンドを使っても、色味が微妙に合わなかったり、塗装面に段差ができてしまったりすることがあります。
また、適切な下処理を怠ると、仕上がりに影響します。汚れや水分、油分が残ったまま補修を行うと、塗料の密着が悪くなり、すぐに剥がれてしまうこともあるため注意が必要です。
さらに、深い傷や広範囲に及ぶダメージは自己修復では限界があるため、無理に作業を進めるとかえって悪い状態になることもあります。自分で傷消しをする際は、傷の程度を見極めたうえで、対応できる範囲にとどめ、必要に応じて専門業者に相談する判断も大切です。
見た目を重視する場合は、プロの手を借りたほうが結果的にコストを抑えられることもあります。
トラックの傷消しを依頼する場合の費用相場
トラックの傷を業者に依頼して補修する場合、費用は1万円~5万円程度が相場です。軽い擦り傷や小さな塗装剥がれであれば1万円程度で対応可能なことが多いですが、広範囲にわたる傷やへこみを伴う場合は3万~5万円程度になることもあります。
費用は傷の大きさや深さ、塗装の種類、作業内容などによって変動します。複数の業者から見積もりを取って比較することが大切です。
トラックの傷消しは自分でもできるが…
トラックの軽い擦り傷や小さな塗装剥がれであれば、タッチペンやコンパウンドを使って自分で対応することも可能です。ただし、自力での傷消しには注意点があり、リスクも伴うため、傷の状態を正しく見極め、場合によっては専門業者に依頼したほうが良いでしょう。
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この記事を監修した人

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