大型トレーラーを運転する際に注意すべき危険な現象のひとつに「ジャックナイフ現象」があります。その現象が発生すると、車両の制御が困難になり、大きな事故につながる可能性があります。
今回の記事では、ジャックナイフ現象とは何かをはじめ、その原因や対処法についてわかりやすく解説します。業務中の事故を防ぐためにもぜひ参考にしてください。
ジャックナイフ現象とは?
トレーラーが急ブレーキや急な操作によって折れ曲がり、まるで折りたたみナイフ(ジャックナイフ)のような形状になる現象のことを指します。その状態になると、トラックとトレーラーが制御不能になり、大事故を引き起こす可能性が高くなります。特に滑りやすい路面や重量バランスが悪い状態での急ブレーキは、ジャックナイフ現象が発生する要因となります。
発生する原因
ジャックナイフ現象が発生する主な原因は、トラクター(牽引車)とトレーラー(被牽引車)の制動バランスが崩れることです。以下のような状況で発生しやすくなります。
①急ブレーキによる制動力の偏り
急ブレーキによって、後方のトレーラーが前に押し出され、横方向の力が発生して折れ曲がることがあります。特にカーブや下り坂でブレーキを強くかけると、トレーラーの慣性が大きく働き、トラクターとの軌道がズレてしまうことがあります。このズレが大きくなると、折れ曲がる力が働き、ジャックナイフ現象が発生する可能性が高くなります。
②路面状況の悪化(雪・雨・凍結)
路面が滑りやすいとタイヤのグリップ力が低下し、ブレーキをかけた際に後輪がロックしやすくなります。それにより、トレーラーがスリップし、ジャックナイフ現象を引き起こすリスクが高まります。
③トレーラーの積載バランスの不均衡
荷物の積み方によっては、トレーラーの重心が後方や片側に偏り、制動時に安定性を失ってしまいます。特に軽すぎる積載状態では、トレーラーのスリップが起こりやすくなります。
トレーラーのジャックナイフ現象対策
ジャックナイフ現象は、適切な運転・積載方法、安全装置の活用によって防ぐことが可能です。ここでは、ジャックナイフ現象を防ぐための具体的な対策を紹介します。
運転
ジャックナイフ現象を防ぐためには、急ブレーキや急なハンドル操作を避ける ことが重要です。特に滑りやすい路面では、早めのブレーキを意識し、エンジンブレーキやリターダーを活用することで、急激な制動力の偏りを防ぐことができます。
また、十分な車間距離を確保することも大切 です。前方の車両が急ブレーキをかけた際に、余裕をもって減速できるよう、長めの距離を取るようにしましょう。さらに、下り坂やカーブでは減速を早めに行い、できるだけブレーキを強く踏まないようにするのがポイントです。
積載方法
トレーラーの荷物の積み方が適切でないと、制動時のバランスが崩れ、ジャックナイフ現象が発生しやすくなります。そのため、積載のバランスを適切に調整することが重要です。
荷物の重心は低くして、均等に配置するのが基本です。前後どちらかに偏った積載をすると、ブレーキをかけた際に荷重が片方に集中し、制御が難しくなります。また、荷物の固定が不十分だと、ブレーキ時に荷物が移動してバランスを崩すことがあるため、適切な固定具を使用してしっかりと固定する ことも忘れずに行いましょう。
さらに、空荷の状態での運転にも注意が必要です。トレーラーが軽い状態では、後輪のグリップ力が低下し、スリップしやすくなるため、ブレーキのかけ方に特に注意する必要があります。
安全装置
近年では、ジャックナイフ現象を防ぐための安全装置が多くのトレーラーに搭載されています。それらの装置を適切に活用することで、より安全な運行が可能になります。
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)
ブレーキ時のホイールロックを防ぎ、車両の制御を維持するための装置です。特に滑りやすい路面では、ABSが作動することでスリップやジャックナイフ現象のリスクを低減 できます。
EBS(電子制御ブレーキシステム)
EBSはABSをさらに進化させたもので、トラクターとトレーラーのブレーキを電子制御し、バランスの取れた制動力を確保できます。制動時のトレーラーの挙動を安定させる効果があるため、ジャックナイフ現象のリスクを低減できます。
ESC(横滑り防止装置)
トレーラーの横滑りを検知し、必要に応じてブレーキやエンジン出力を自動調整する装置で、急なカーブや滑りやすい路面での安定性が向上するため、ジャックナイフ現象の予防にも効果があります。
トレーラーの運転に関する注意点
トレーラーを安全に運転するためには、ジャックナイフ現象対策以外にも様々な注意点があります。まず、内輪差とオーバーハング に注意が必要です。トレーラーはトラック単体の車両よりも長いため、カーブを曲がる際には大回りを意識し、後輪が歩道や障害物に乗り上げないようにすることが重要です。特に交差点では、無理に小回りをしようとすると内輪差で後輪が縁石やガードレールに接触する恐れがあるため、慎重なハンドル操作が求められます。
バック(後退)時の操作もトレーラー特有の難しさがあります。トレーラーは通常のトラックとは異なり、ハンドルを切る方向と車体の動きが逆になるため、細かくハンドルを調整しながらゆっくりと動かすことが求められます。視界が制限されるため、バックカメラやサイドミラーを活用し、必要に応じて誘導員を頼ることも大切です。
さらに、長距離運行では適度な休憩を取ることも重要です。特に夜間運転では集中力が低下しやすく、眠気や疲労が事故のリスクを高める要因となります。定期的に休憩を取りながら、水分補給を行い、適度に体を動かすことで、安全運転を維持することができます。
また、悪天候時の運転にも注意が必要で、雨や雪の日は制動距離が伸びるため、十分な車間距離を確保し、スリップを防ぐために急ハンドルや急ブレーキを避けることが大切です。
このように、トレーラーの運転には特有の注意点が多く、常に周囲の状況を把握しながら慎重な操作を心がけることが、安全な運行につながります。
ジャックナイフ現象に要注意
ジャックナイフ現象は、トレーラーが急ブレーキや滑りやすい路面で制御できなくなり、折れ曲がる危険な現象です。急な操作や積載バランスの乱れが主な原因であり、発生すると事故につながるリスクが高まります。対策として、スムーズな運転や適切な積載、ABSやEBSなどの安全装置の活用が有効です。特にカーブや下り坂では早めに減速し、エンジンブレーキを活用することが重要になります。
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