物流マネージャー実践研修で磨いていく“三つの力”のうち、
前回(2回目)は一つ目の力「決めたことをキチッとやる力」を解説させて頂きましたが、
今回は二つ目の力「伝える力」を解説致します。
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物流応援団 株式会社ヤマネット 代表取締役 山田 泰壮氏
昭和40年京都生まれ。現在、物流応援団グループの代表として、株式会社ヤマネットと株式会社マイロジ(旧マルヒデ運送)を経営。高校卒業後すぐに地元(愛知県)中堅の運送会社に入社し、トラックドライバーとして社会人デビュー、その後、営業所長、静岡支店長、営業本部長、常務取締役を歴任し、2000年に退任後、ヤマネットを創業、物流応援団長と称し研修事業を立ち上げた後に御縁あり株式会社マイロジ(旧マルヒデ運送)の代表に着任、研修事業と実物流事業の兼務がスタートし、その後、研修事業は全国に展開、実物流事業は愛知県内に物流センターを3拠点設置し現在従業員数200名、東海エリアを中心に展開している。
著書に『崖っぷちから這い上がる「5つの力」』(ごま書房新社)、『良縁と強運を掴む』(セルバ書籍)、『フロイト、ユング、アドラーの心理学』(マネジメント社)がある。
伝える力(発信力)
三つの力の二つ目は、伝える力。人にコトを伝えるというのは、本当に難しいとつくづく思います。人間は生きている間、意識するしないに関わらず、ずっと何かを何らかの形で伝えています。それは言葉のみならず、表情や態度、仕草、身ぶり、手ぶり・・・全てで〝伝える〟です。
私が主催する実践研修では、プレゼンテーションを通じて「伝える力」(発信力)を磨くトレーニングを行ないますが、言うは易し行なうは難し、研修のプレゼンテーションが上手くいったとしても、日常の実践では、これがなかなか大変であります。
説明は「意味、内容を伝える」に対して、プレゼンは「意識、意思を伝える」。
たとえ、意味内容が伝わったとしても、相手の心を動かしたり、行動への動機づけまでは至りません。強い意識、熱い意思が伝わった時、それは相手の心を動かし行動へと駆り立てます。
政治家や大手コンサルタント会社の先生で、横文字や難しい言葉を羅列して、一体何を云ってるのか分からない偉い人をたまに見かけますが、そういう人は、意味内容すら伝わらないので、論外であります。
私は社長として、営業マンとして、特に研修講師の時は、そうならぬよう、横文字や難しい言葉を出来るだけ使わないよう心掛けています。
「6歳の子供に分かるような説明でなければ、説明とはいわない」これは、たしか、アインシュタインの言葉。少し極端かも知れませんが、同感であります。
伝える力(発信力)を強化する。どうすれば強化できるのか?私は訓練しかないと断言します。
訓練と実践を繰り返す。訓練しても実践しなければだめ、実践することにより、相手の反応が自分の発信の質や是非に気付かせてくれます。
訓練によって喋り方や話術を得るのが目的ではありません、話術やパフォーマンスはたしかに訓練によって上達することが出来ます。でも、これは目的ではなく結果、というよりも真の目的達成の為の通過点とでもいいましょうか。真の目的、それは強い意識、熱い意思を育むことです。では、強い意識や熱い意思はどうやって育むのか?これもまたやはり、訓練しかないと私は考えています。
訓練と実践を重ねる。考えていること思い描いていることを繰り返し繰り返し言葉にし、文字にし、何度も何度も周りの人に伝える、するとやがてその言葉や文字が話術やパフォーマンスを超え内なるもの〝意識や意思〟に繋がっていきます。そして、育まれた強い意識や熱い意思が言葉や表情や態度、仕草、身振り手振りに乗じ発信された時、相手の心を動かし、動機づけしていきます。姿勢、礼節、形から精神を育む武道のようなものです。 〝伝える〟とは、実に奥が深いのです。
写真左:コロナの影響で2年間オンライン開催のみだった実践研修のリアル開催が今年4月より再開。
写真右上下:伝える力を磨くためにプレゼンテーション訓練の様子。