高所での作業が必要な現場では、安全性と効率性を両立できる「高所作業車」の存在が欠かせません。様々な現場で活躍する高所作業車には、種類があり、目的や作業環境に応じた適切なタイプを選ぶことが、作業の安全性確保とスムーズな業務遂行に直結します。
今回の記事では「高所作業車の種類」をテーマに、それぞれの特徴、用途などを解説します。高所作業車の種類について知りたい方や、購入、買い替えを検討されている方はぜひ参考にしてください。
高所作業車とは?
高い場所での作業を安全かつ効率的に行うために設計された特殊車両が高所作業車です。作業員や工具を高所に運ぶための昇降装置を備えており、建設現場や電気・通信設備の工事、看板の設置・点検、街路樹の剪定、外壁清掃など、様々な分野で用いられています。脚立や足場では対応が難しい作業にも、安全に取り組める点が大きなメリットです。
短時間で設置や撤収ができるため、作業効率の向上にも寄与し、現場の生産性を高める役割を担っています。用途や作業環境に応じたタイプを選ぶことで、より安全で快適な作業が実現できます。
なお、高所作業車は次のように定義されています。
①2m以上の高さに上昇できる作業床(作業員が作業時に乗る場所)を備えていること
②作業床の昇降に人力以外の動力(エンジンやモーターなど)を使用すること
③不特定の場所へ自走できる構造を持つこと
高所作業車の種類
高所作業車には様々な種類・タイプが存在し、それぞれに特徴があります。
ここでは「走行タイプ」と「昇降機」に分けてそれぞれ種類や特徴を紹介します。
走行タイプ
まず走行タイプは「トラック式」と「自走式」に分けられます。
トラック式
トラックの荷台に昇降装置が搭載されたタイプで、公道を自走して移動できる利便性が大きな特徴です。複数の現場を巡回しやすく、電気工事や通信インフラ、街路灯のメンテナンスなど幅広い現場で重宝されています。運搬車両が不要で、乗用車や通常のトラックと同様に道路を走行できます。操作性にも優れており、現場に到着してから作業開始までがスムーズに行えるのもメリットです。安定性もあり、比較的広範な用途に対応可能な万能型と言えるでしょう。
自走式
作業現場内を自由に移動しながら使用できる高所作業車で、特に工場や倉庫、イベント会場などの施設内作業に適しています。トラックのように公道走行はできませんが、その分車体サイズがコンパクトに設計されており、狭い通路や限られたスペースでの作業にも対応できます。操作は作業床から行えるタイプが多く、作業者自身が機体の移動と昇降を同時に制御できるのも特徴のひとつです。電動式やバッテリー式のモデルも多く、排気ガスの発生がないため、屋内環境でも安心して使用できます。
昇降機
昇降機には「伸縮ブーム型」「屈折ブーム型」「混合ブーム型」「垂直昇降型」などの種類があります。
伸縮ブーム型
ブーム(アーム部分)が直線的に伸びる構造で、ビルの外壁作業や高架設備の点検など、比較的広い作業スペースでの使用に適しています。安定性と到達性の高さが特徴で、高所へ一直線に到達できます。操作がシンプルで初心者でも扱いやすく、大規模施設の保守や清掃作業などにも広く活用されています。
屈折ブーム型
ブームが複数の関節で折れ曲がる構造になっており、障害物を避けながら目的の作業位置へ到達できます。電柱や樹木周辺など、入り組んだ現場でも柔軟に対応可能で、狭いスペースや高低差のある場所でも自在に位置を調整できるため、道路上の信号機点検や構造物の裏側での作業にも最適です。高い機動性が求められる現場で重宝されています。
混合ブーム型
伸縮ブームと屈折ブームの機能を兼ね備えたタイプで、直線的にも曲線的にも動作が可能です。複雑な環境での作業に幅広く対応でき、汎用性に優れています。狭い場所でも障害物を避けながら高所へ接近できる一方、遠方への伸長作業もこなせるため、1台で多様な用途に対応可能です。電設・通信・建築現場など、多目的な作業シーンで活用されています。
垂直昇降型
垂直方向に真っ直ぐ上下する構造で、ビルの外壁補修、看板の取り付け・交換、照明設備の点検など、高所での作業を安全かつ効率的に行えます。昇降動作は安定しており、高精度な作業にも適しているため、屋外イベントの設営や街路灯の保守などにも活用されます。
高所作業車の運転や操作に必要な免許・資格
高所作業車を安全かつ適切に使用するには、運転や操作に応じた免許や資格が必要です。まず、トラック式の高所作業車で公道を走行する場合は、その車両の大きさや総重量に応じた自動車運転免許(準中型・中型・大型免許など)が必要になります。一方で、自走式高所作業車は多くの場合、私有地内の移動が主であり、道路交通法上の免許は不要です。
作業床を昇降させる操作には、高さが10m未満の機種を操作するには「高所作業車の運転業務に係る特別教育」、10m以上の機種には「高所作業車運転技能講習」の修了が必要です。どちらも厚生労働省の定める講習であり、講義と実技から構成されています。
作業現場での安全性を確保するためにも、法令に則った資格の取得と適切な教育が欠かせません。
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高所作業車の種類について
高所作業車は、高い場所での作業を安全かつ効率的に行うために欠かせない車両です。「トラック式」や「自走式」、さらには「伸縮ブーム型」や「垂直昇降型」など、多様な種類が存在し、作業現場の環境や使用目的に応じた選択が求められます。
また、安全性や操作性、移動のしやすさなども選定時のポイントになります。適切な車種を選ぶことで、作業効率と安全性を高めることができるでしょう。
この記事を監修した人

神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
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