高い走行性能と積載性を兼ね備えたUDトラックスの「カゼット」は、都市部での配送や建設・設備工事など、幅広い業務に対応できる小型トラックで、多くの事業者、ドライバーに選ばれてきました。
この記事では、カゼットの歴代・現行モデルの特徴をはじめ、中古車を選ぶ際のポイントや注意点も解説します。
UDトラックス・カゼットに興味のある方や、中古トラックの購入を検討中の方はぜひご参考にしてください。
UDトラックス・カゼットとは?
UDトラックスが2014年に発売を開始した小型トラックで、都市部の配送や業務用車両として高い実用性を誇ります。もともとは「コンドル10-30」の後継モデルとして登場し、初代は三菱ふそう「キャンター」のOEM車として導入されました。
その後、UDトラックスがいすゞ自動車の傘下に入ったことで、ベース車が「エルフ」に切り替えられ、2023年にフルモデルチェンジされた3代目では、いすゞベースへと回帰しています。
用途に応じた多彩な車型・グレード展開や、高い燃費性能、安全装備の充実などが特徴で、現在でも幅広い業界・業種で支持されています。
歴代モデル
初代(2014年~)
三菱ふそう・キャンターをベースに登場したモデルで、4P10系ディーゼルエンジンを搭載し、DPFや尿素SCRによる排ガス対策に対応。ブレンボ製ディスクブレーキを採用し、ハイブリッド仕様もラインアップ。低燃費性能でエコカー減税対象となりました。
2代目(2021年~)
9代目キャンターをベースに改良。LEDヘッドランプを標準装備し、安全性能も向上。衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報、ESPなどを搭載し、操作性と安全性が強化されました。
3代目(2023年~)
いすゞ・エルフをベースに再構築。エンジンは4JZ1型を採用し、9速DCT「ISIM」を導入。安全機能では、ステレオカメラ方式のPCBやDSM、EDSSなどを装備し、高度な運転支援システムを複数のパッケージで展開しています。外観も刷新され、日産・アトラスやマツダ・タイタンと共通のデザインを採用しています。
最新のカゼットの特徴
最新のカゼットの特徴を「外装」「内装」「快適性」「燃費・環境性能」「安全性能」に分けて解説します。
外装
力強さと先進性が融合した外観デザインが魅力です。キャブ前面は「レイヤーゾーニングフェイス」と呼ばれる3つのゾーン構成を採用。上段は企業ロゴなどを掲出できるホワイトパネルのユーティリティゾーン、中段は独創的なアッパーグリルとブランドロゴを配置したブランドゾーン、下段はエンジン吸気やセンサー類を集約した機能ゾーンとなっており、機能性とデザイン性を両立しています。
ヘッドランプ、ターンランプ、フォグランプ、ポジションランプにはLEDを全面採用し、省電力かつ長寿命、優れた視認性を実現。上位グレードの「SEカスタム」にはクロームメッキ加飾が施され、より上質で存在感のある仕上がりになります。
内装
誰でも快適に運転できる先進的な室内空間が魅力です。ドライバーの視点で設計されたキャビンには、7インチの大型メーターディスプレイを搭載し、走行中の視認性と情報伝達性を確保。インパネスイッチは目的別にゾーン分けされており、操作ミスを防げます。ステアリングスイッチも配置されており、手を離さずに各種操作が可能。座面には低反発ウレタン素材を採用した運転席シートや、アームレスト、シートヒーターなど快適装備も充実。さらに、小柄な方から大柄な方まで快適に座れるドライビングポジションが確保されており、多様なドライバーに対応しています。オプションの7インチセンターディスプレイでは、ラジオやBluetooth通話、バックカメラ表示にも対応しています。
快適性
日々の業務での使いやすさを重視した設計が随所に施されています。キャブはAピラーが立ったボクシーな骨格により広いドア開口を確保。自然な姿勢で乗り降りが可能です。セミグリップ式ドアハンドルや最適化されたステップ、長尺のアシストグリップなど、乗降時の動作もスムーズに。キーレスライドにも対応し、荷物の出入りが多い現場でも快適です。
室内にはヘッダートレイやシートサイドトレイ、引き出し式カップホルダーなど多彩な収納が配置されています。Bluetooth対応ラジオやフルオートエアコン、LED室内灯、UV/IRカットガラスなど快適装備も充実しています。
燃費・環境性能
9速DCT「ISIM」により、滑らかで無駄のない変速を実現し、誰でも安定した省燃費運転が可能です。搭載される4JZ1エンジンは、自律噴射補正技術「i-ART」やDPD近接配置、EGR制御など先進技術を採用。
2025年度燃費基準を達成しながらも、NOxやPMの低減を実現しています。空力を意識したキャブ設計や軽量サスペンションの採用により、燃費性能の向上と走行効率も確保されています。
安全性能
先進の運転支援技術が多数搭載され、安全運行をサポートしています。標準装備のプリクラッシュブレーキは、直進時だけでなく右左折時にも作動し、昼夜を問わず歩行者や自転車を検知可能。ステレオカメラとミリ波レーダーの組み合わせにより、死角の危険も的確に察知します。
全車速対応の車間クルーズやレーンキープアシスト、ドライバーステータスモニター(DSM)も搭載可能で、疲労や異常時の対応も万全。さらに、誤発進抑制や車線逸脱警報、タイヤ空気圧モニタリングなども用意されており、日常のあらゆるリスクに対応する設計になっています。
中古カゼットを購入する際のポイント・注意点
中古カゼットを購入する際には、信頼できる販売店を選ぶことが何より重要です。実績豊富な業者であれば、使用目的に合った車両提案や、納車前の点検・整備がしっかり行われているケースが多く、安心して購入できます。
特に、自社に整備工場があったり、購入後のアフターサービスが充実していたりする販売店であれば、故障やメンテナンス時もスムーズに対応を依頼できます。また、価格や年式、走行距離だけでなく、エンジンや足回り、電装系の状態もしっかり確認しましょう。可能であればエンジンを始動させ、異音の有無や警告灯の点灯状況もチェックすることが大切です。購入後の無用なトラブルを防ぐためにも信頼できる販売店で、安心して使用できる車両を見つけましょう。
中古カゼットをお探しなら
カゼットをはじめとした高品質な中古トラックをお求めの方は、ぜひ「トラックランド」にぜひご相談ください。トラックランドでは、自社整備工場を完備しており、経験豊富な整備士による厳格な点検・整備を経た車両のみを取り扱っています。必要に応じて、塗装や架装、板金などにも柔軟に対応可能です。
ご希望の車両が在庫にない場合でも、全国ネットワークを活用して、条件に合った最適な一台をお探しするサービスを提供しています。買取・販売・リース・メンテナンス・陸送までをワンストップで対応しており、納車後のアフターサポートも万全です。
初期費用を抑えて車両を導入したい方には、定額制の「サブスクdeスグのり」のご利用もおすすめです。カゼットなどの小型トラックの導入を検討されている方は、ぜひトラックランドまでお気軽にお問い合わせください。
カゼットの中古車両をお探しの方へ
UDトラックス・カゼットは、OEM供給を受けながら進化を続けてきた小型トラックで、街中での配送から建設現場まで幅広いシーンで活用されています。歴代モデルごとに特徴があり、選ぶ際には仕様や装備、安全性能などの違いを把握しておくことが大切です。
中古車を購入する際は、車両の状態に加えて、厳格な管理体制でアフターサポートも充実した販売店を選ぶと安心です。用途や予算に応じて、最適な1台を見つけましょう。
この記事を監修した人

神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
これまでに監修した記事は200件以上!中古トラックに関する豊富な知識と経験を活かし、中古トラック業界の最新情報やお役立ち情報を発信しています。
実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。
趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。
「月刊トラックランドオンライン」にて、中古トラック選びのコツや業界の最新情報を発信中。
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