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まなびのコラム

エンジンのオーバーホールにかかる費用は?メリット・デメリットも解説

エンジンの調子が悪くなったり、走行距離が増えて性能低下を感じたりした際に「オーバーホール」を検討することがあるでしょう。

一方で、実際に「どのような作業で、どれくらいの費用がかかるのか?」という疑問を抱えている方も多いと思います。

今回の記事では、エンジンのオーバーホールの詳細や必要な状況・状態などに加えて、かかる費用や影響する要素などを解説します。

エンジンのオーバーホールの詳細や、かかる費用について知りたい方はぜひ参考にしてください。

エンジンのオーバーホールとは?

エンジンを車両から取り外して分解し、摩耗や劣化した部品を点検・交換したうえで、再度組み上げる整備作業を指します。単なる部品交換や応急的な修理とは異なり、内部構造まで確認し、本来の性能に近い状態へと回復させるのが目的になります。

車両の使用によって蓄積した摩耗や不具合を解消する整備方法であり、エンジンの状態を根本から見直す点が特徴です。

するべき状況・状態

エンジンのオーバーホールを検討すべき代表的な状況として、まず挙げられるのが走行距離の増加による性能低下です。加速の鈍化や燃費の悪化、エンジン音の異常などが継続的に見られる場合、内部部品の摩耗が進行している可能性があります。

また、オイル消費量が極端に増えている、白煙や黒煙が頻繁に出るといった症状も、エンジン内部の異常や劣化を示すサインといえます。さらに、修理を重ねても不調が改善しない場合や、エンジン内部の状態を一度しっかりと確認したい場合にも、オーバーホールが一つの選択肢となります。

長年使用している車両で今後も継続的に運用を考えている場合や、突然の故障などのリスクを未然に防ぎたい場合には、計画的なオーバーホールを検討することが重要です。

オーバーホールにかかる費用は?

オーバーホールにかかる費用は?

オーバーホールにかかる費用は、車種やエンジンの種類、作業範囲によって大きく異なりますが、一般的な相場としては50万円〜100万円程度が目安とされています。
小排気量の乗用車であれば比較的費用を抑えられるケースが多い一方、トラックや高性能エンジン、大型ディーゼルエンジンでは100万円を超えることもあります。

それは、エンジンを車体から降ろして分解・点検・再組み立てする工程が多く、部品交換の点数も多岐にわたるためです。単純な修理とは異なり、工賃の割合が大きくなる点も、オーバーホール特有の特徴といえます。

費用・料金に影響する要素

費用に影響する要素の一つがエンジンの種類・構造です。直列エンジンかV型エンジンかなどによって分解・組み立ての難易度が変わり、作業時間や費用にも差が出ます。

また、交換が必要な部品の種類と数も費用を左右します。消耗部品だけで済む場合と、そうでない場合とでは、費用に大きな開きが生じます。

業者が設定している工賃や、純正部品かリビルト・社外部品を使用するかといった点も費用に影響する要素です。エンジンの状態によって必要な作業内容が変わるため、事前に見積もりを取り、作業範囲や詳細をしっかりと確認することが欠かせません。

自力での作業は可能?

オーバーホールを自力で行うこと自体は不可能ではありませんが、難易度は非常に高い作業といえます。エンジンは数百点に及ぶ精密部品で構成されており、分解・洗浄・計測・組み立てのすべての工程で、専門的な知識と高い整備技術が求められます。特にクリアランス調整やトルク管理はシビアで、わずかな誤差が性能低下や重大な故障につながります。

また、専用工具や精密測定器、清潔な作業環境も欠かせません。それらが十分にそろっていない状態で作業を行うと、部品の組み付け不良や見落としが発生しやすくなります。

さらに大きなリスクとして、作業後の保証が一切ない点が挙げられます。万が一エンジンを損傷させても自己責任となり、結果的に修理費用が高額になることも考えられます。そのため、実務経験が豊富な整備士や専門設備を備えた業者への依頼が現実的です。

オーバーホールのメリット・デメリット

オーバーホールのメリット・デメリット

最後に、オーバーホールのメリット・デメリット(注意点)を紹介します。

メリット

最大のメリットは、エンジン性能を回復・延命できる点にあります。内部部品を分解・点検し、摩耗や劣化した部品を交換することで、本来の圧縮性能や燃焼効率を取り戻すことが可能です。異音や振動、オイル消費量の増加といった症状が改善されるケースも多く、安定した走行性能につながります。

また、エンジン載せ替えや車両買い替えと比較すると、条件次第ではコストを抑えられる点も魅力です。特にトラックや商用車など、車両自体の価値が高い場合は、オーバーホールによって長期間使い続けられ、設備投資の最適化に寄与します。

内部状態をしっかりと確認できるため、将来的なトラブルを未然に防ぎやすく、計画的な車両管理が行える点も大きな利点といえるでしょう。

デメリット

一方で、オーバーホールには費用と時間がかかるというデメリットがあります。作業内容やエンジンの状態によっては高額になることもあり、想定以上のコストが発生するケースも少なくありません。また、分解して初めて不具合が判明し、追加整備が必要になる可能性もあります。

作業期間が長くなりやすい点も注意が必要です。エンジンを分解・再組み立てするため、数日から数週間にわたって車両が使用できなくなることがあり、事業用車両の場合は業務への影響を考慮する必要があります。

メリットがある一方で、デメリット・注意点は頭に入れておく必要があるでしょう。

エンジンのオーバーホールについて

エンジンのオーバーホールとは、性能低下や不具合が現れたエンジンを分解・点検し、必要な部品交換や調整を行うことで、性能の回復や延命を図る方法です。車両状態や使用状況によっては、買い替えよりもコストを抑えながら、性能を回復させることができます。一方で、費用や作業期間などを十分に考慮し、業者選びや今後の運用計画を踏まえた判断が重要です。

なお、トラックの整備依頼や、買い替え、増車などをご検討中の方は、ぜひトラックランドへご相談ください。全国対応で中古トラック・商用車の販売・買取・リース(サブスク)まで幅広く対応しています。グループ会社の陸送ネットでは、登録・車検・整備・陸送まで一括対応が可能です。車両の導入からアフターサポートまで、安心してお任せいただけますので、サービスにご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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この記事を監修した人

この記事を監修した人 トラックランド管理人:高良

神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
これまでに監修した記事は200件以上!中古トラックに関する豊富な知識と経験を活かし、中古トラック業界の最新情報やお役立ち情報を発信しています。

実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。

趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。

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