私たちが普段ECサイトで何気無く注文し、気軽に手元に届く段ボールたち。これらはどうやって運ばれ自宅まで届いているのか?そんな単純な疑問を抱いたことは無いだろうか。
国内におけるBtoC向けEC市場はこの10年で20兆円規模へと成長し、今後も右肩上がりでの拡大が見込まれている。
急拡大する業界を下支えするのは、様々な形でEC物流に従事する物流事業者たちである。
本誌読者の中には物流業界に身を置く方も多いと思うが、同業他社の業務内容については意外と知らない事が多いのではないだろうか?
今回は、大手EC通販会社の幹線輸送を担う株式会社タカロジ・京都支店に密着し、年末繁忙期の舞台裏を取材した。
【株式会社タカロジ】
タカネットサービスグループの「運送事業」を担う企業。
全国数カ所に事業拠点を有し、トラック運送、保管、流通、構内作業を柱に、物流に関わる多様なニーズに対応。主にEC通販物流及び大手EC通販会社の幹線輸送事業を行っている。
本 社:栃木県那須郡那珂川町小川3489
事業内容:貨物自動車運送事業・貨物利用運送事業
設 立:昭和47年6月
従業員数:150名
事 業 所:全国7箇所(京都・高知・香川・栃木・埼玉・神奈川)
乗務員インタビュー
株式会社タカロジ・京都支店所属
乗務員歴 5年 藤村 栄治氏(46)
Q:タカロジではどのような業務を担当していますか?
A:主に担当しているのは、関東〜大阪間の長距離便の運転です。大阪にある荷主様の配送センターから関東方面に荷物を運んでいます。
Q:運転中に気を付けていることは?
A:高速道路を運転することが多いのでスピードと車間距離には特に注意しています。
Q:運転中思い出深いエピソードはありますか?
A:東名高速を走っている時に、浮世絵のような赤富士を見れたことです。
Q:今後の夢や目標を教えてください
A:笑顔で家を出て笑顔で帰るのが一番良い事だと思っていますので、これからも無事故を守っていきたいです。
01 出勤・運行前点呼
出勤後、まずは事務所で運行前点呼を行う。免許証の確認、体温計測、アルコールチェック等を行い、その日の業務に問題なく臨む事ができるのかを確認。
多くの物流会社同様、各自の出勤時間は運行スケジュールによりまちまちとなっている。
02 出発前点検
先ほどの点呼後、出発前点検を行う。事業用車両は日常点検の実施が法律で義務付けられているため、タイヤの状態やバッテリーの液量等、さまざまな部分を入念にチェックして行く。
これが終わると、いよいよ1日の乗務が始まる。
03 乗車・出発
今回編集部が密着取材したのは、京都〜大阪の物流センター間を1日に4回転する地場配送の便。
出発前点検を済ませた後、1日のスケジュールを確認してから、いよいよ出発する。
04 運転
タカロジ京都支店(京都府城陽市内)から移動し、大手配送業者様の配送センターに。
そこで空のパレットを詰んだ後、大阪府某所にある大手EC通販会社の主幹配送センターに移動。
道中はもちろん法律遵守の安全運転だ。
05 荷投作業
大手EC通販会社の配送センターに到着後、まずは先ほど積んだ空パレットを降ろす。
その後、直ぐに荷物の積み込みが始まる。接車時間は約25分。たまたま居合せた同僚と手際よく庫内にカゴ車を積み込んで行く。
カゴ車は本体だけでも約100kgの重さ、積荷が満載の時にはひとつのカゴ車で500kg以上になることもあるそうだ。
庫内に積荷を満載したトラックは、先ほどの京都府内配送センターでの荷下ろしに向け発車。
この一連の流れを夜19過ぎに帰社するまで計4回転行うのである。