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トラックの速度抑制装置の設置義務や仕組みについて解説!解除するリスクも

大型トラックによる重大事故を防止するための安全対策として、速度抑制装置の装着が法律で義務付けられています。物流業界に携わる方であれば耳にする機会も多い装置ですが、その具体的な仕組みや対象となる車両の範囲について、詳しく把握できていないという方も少なくありません。

また、装置を不正に解除した場合にどのようなリスクがあるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。

今回の記事では、トラックの速度抑制装置の基本的な仕組みや設置義務の内容を解説するとともに、解除した場合のリスクや後付けの可否についても紹介します。

トラックの速度抑制装置とは?

速度抑制装置とは、車両が一定の速度を超えて走行できないように制御するための装置で、一般的に「スピードリミッター」とも呼ばれています。

大型トラックは車両総重量が重いため、高速走行時に事故が発生すると被害が甚大になりやすいという特性があります。そうした背景から、重大事故の発生を未然に防ぐ安全対策の一つとして、速度抑制装置の装着が法的に義務付けられるようになりました。

装置が正常に機能している車両では、アクセルを踏み込んでも時速90km/hを超える加速ができない仕組みになっており、高速道路などでの過度なスピード超過を物理的に防止します。

構造・仕組み

速度抑制装置は、車両の電子制御ユニット(ECU)と連動して機能する仕組みになっています。車速センサーが走行中の速度を常時検知し、あらかじめ設定された上限速度(時速90km/h)に達すると、ECUがエンジンへの燃料噴射量を自動的に制御します。それにより、ドライバーがアクセルをさらに踏み込んでもエンジンの出力が抑えられ、設定速度を超えることができなくなります。

その制御はエンジンの動力そのものに作用するため、ブレーキをかけて減速させるのではなく、加速そのものを抑制するという点が特徴です。そのため、急激な減速が起こることはなく、走行中の安全性が確保されています。

なお、装置は車両の製造段階でエンジンの制御システムに組み込まれるのが一般的であり、外部から容易に操作できない構造となっています。

速度抑制装置の設置義務について

速度抑制装置の設置義務について

速度抑制装置の装着義務は、「道路運送車両の保安基準」に基づいて定められています。対象となるのは、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の大型貨物自動車で、最高速度を90km/hに制限する速度抑制装置の装備が求められます。

その義務化は段階的に進められてきました。平成11年の運輸技術審議会の答申を受け、学識経験者や関係業界による検討会が開催され、高速道路における速度超過による重大事故の防止効果や燃費向上による環境面での効果が期待できることから、義務付けが妥当であるとの結論に至りました。

それを踏まえ、平成13年に新車への装備義務付けに関する基準改正が行われ、平成15年9月以降に製造される大型貨物車が対象となりました。さらに平成14年には使用過程車にも対象が拡大され、最大3年の猶予期間を経て平成18年8月末までにすべての大型貨物車への装備が義務化されています。

国土交通省が公表した効果・影響評価によると、義務化後の平成17年における大型貨物車の高速道路での死亡事故件数は、義務化前の平均と比べて約40%低減したとされています。また、走行速度の低下に伴う燃費向上により、CO2排出量の削減効果も確認されています。

そうした速度抑制装置の規制は日本に限った取り組みではなく、EUやオーストラリア、韓国などの諸外国でも同様の制度が導入されています。

参考:大型貨物車の速度抑制装置装備義務について

速度抑制装置を解除するリスク

速度抑制装置を解除するリスク

まず、法的な処罰を受けるリスクがあります。速度抑制装置は道路運送車両の保安基準で装着が義務付けられており、それを不正に解除・改造した場合は道路運送車両法違反に該当します。事業用車両の場合は運送事業者としての行政処分の対象にもなり得るため、事業運営そのものに大きな影響を及ぼしかねません。

また、重大事故を引き起こすリスクも見逃せません。大型トラックは車両重量が大きく、速度が上がるほど制動距離が長くなります。速度抑制装置を解除して高速走行を行えば、衝突時の衝撃は格段に増大し、乗務員自身はもちろん、周囲の車両や歩行者を巻き込む重大事故につながる危険性が高まります。

万が一事故を起こした際に装置の解除が判明すれば、損害賠償額の増大や保険の免責といった問題にも発展しかねません。

速度抑制装置はドライバーや周囲の安全を守るための重要な装置ですので、いかなる理由があっても解除は行わないようにしましょう。

速度抑制装置の後付けは可能?

速度抑制装置の後付けは可能?

速度抑制装置は、法的に装着が義務付けられている大型貨物車だけでなく、義務対象外の車両にも後付けが可能です。

近年では、安全意識の高まりや事故防止対策の強化を背景に、設置義務のない小型トラックや中型トラックに速度抑制装置を自主的に後付けする事業者も増えています。特に、一般道での速度超過を抑制したいケースや、ドライバーの安全運転意識を高める目的で導入されることが多く、企業の安全管理体制の一環として注目されています。

後付け用の速度抑制装置を取り扱うメーカーもあり、装着することで事故リスクの低減だけでなく、燃費の向上や車両の消耗抑制といった副次的なメリットも期待できます。

トラックの速度抑制装置について

今回は、トラックの速度抑制装置の仕組みや設置義務の内容、解除した場合のリスク、後付けの可否などについて解説しました。速度抑制装置は大型貨物車の重大事故を防ぐために欠かせない安全装置であり、不正な解除は法令違反となるだけでなく、重大事故につながる危険性があるため、絶対に行わないようにしましょう。

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この記事を監修した人

この記事を監修した人 トラックランド管理人:高良

神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
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