走行中や駐車中のトラックが突然出火する「トラック火災」は、ドライバーや周囲の人々に重大な危険をもたらすだけでなく、積荷や車両の損失、道路封鎖による物流への影響など、甚大な被害につながるケースがあります。
今回の記事では、トラック火災の主な原因や過去の事例をはじめ、前兆となるサインや発生時の対処法、そして未然に防ぐための予防法を解説します。トラックの運行に携わる方はぜひ参考にしてください。
トラック火災とは?
走行中・駐車中を問わず、トラックのエンジンルームや荷台、タイヤ周辺などから出火する事故のことを指します。一般的な乗用車と比較してエンジンへの負荷が大きく、燃料タンクの容量も大きいトラックは、ひとたび火災が発生すると短時間で燃え広がるリスクがあります。
また、積荷の種類によっては引火や爆発につながる危険性もあり、人命や財産に対する被害が甚大になるケースも少なくありません。トラック火災は特定の車種や用途に限らず、大型・中型・小型を問わず発生する可能性があります。
主な原因
トラック火災が発生する主な原因としては、以下のようなことが挙げられます。
エンジンのオーバーヒート
冷却水の不足やラジエーターの詰まりなど、冷却システムの不具合や整備不良によってエンジンが過熱し、周辺の樹脂部品やオイルへの着火につながることがあります。
燃料漏れ
燃料ホースや燃料タンクの経年劣化・損傷により燃料が漏れ出し、エンジンの熱や火花などの熱源と接触することで出火するケースがあります。
電気系統のトラブル
配線の経年劣化やショート、接触不良によって発熱・火花が生じ、周辺の可燃物に着火することがあります。
タイヤのバースト・摩擦熱
空気圧不足や過積載によるタイヤのバーストや、ブレーキの引きずりによる摩擦熱が出火につながる場合があります。
排気系統の過熱
マフラーや排気管が荷台下の可燃物や堆積した枯れ草などに接触したり、排気ガスの熱が周辺部品に蓄積されることで出火することがあります。
積荷への引火
可燃性の高い積荷を運搬している場合、電気系統のトラブルや排気熱など、何らかのきっかけで引火し、火災が急速に拡大するケースがあります。
過去の事例
排気管の煤が火の粉となり荷台に着火した事例
高速道路を走行中のトラックの荷台から出火した事例があります。排気管内に溜まった煤が高温の排気ガスによって発火し、排気管の破損部分から飛散した火の粉が荷台の床板に着火したことが原因です。
運転手は並走していた別の車のドライバーから出火を知らされ、路肩に停車して確認したところ荷台下部が燃えていたため、非常電話で通報し、着衣で消火を試みましたが火は消えず、車両が焼損する被害となりました。
駐車中のダンプトラックが炎上した事例
トンネル工事現場の坑内に駐車していたダンプトラックのエンジンルームから出火・炎上した事例もあります。
排気管が外れた状態で、エンジンルーム内に溜まっていた煤やほこりに排気ガスの熱が引火したことが原因です。消火訓練や避難訓練も行われていなかったため、備え付けの空気呼吸器を使用できず被害が拡大した事例です。
参考:労働災害事例
トラック火災の前兆・発生時の対処法

トラック火災は突然発生するように思われがちですが、多くの場合、事前に何らかの前兆やサインが現れています。
日頃からこれらのサインを把握しておくことで、火災を未然に防いだり、被害を最小限に抑えたりすることができます。
前兆・症状
異臭がする
焦げたようなにおいやゴムが燃えるようなにおいは、配線の過熱やタイヤの異常を示すサインである可能性があります。
白煙・黒煙が出る
エンジンルームや排気管から通常とは異なる色や量の煙が出ている場合は、オーバーヒートや燃料漏れが起きている可能性があります。
警告灯が点灯する
水温計やオイル警告灯など、エンジン系統の警告灯が点灯した場合は、オーバーヒートや油圧低下のサインであるため、早急に対応が必要です。
エンジンの異音
通常とは異なるノッキング音や金属音がする場合、エンジン内部に何らかのトラブルが生じている可能性があります。
燃料や液体の漏れ
車両の下に燃料やオイルの染みがある場合は、火災につながる漏れが発生しているおそれがあります。
発生時の対処法
万が一トラック火災が発生した場合には、冷静かつ迅速な対応が求められます。
まず、異変を感じたら速やかに安全な場所へ停車し、エンジンを切ります。高速道路上では路肩へ寄せ、ハザードランプを点灯させて後続車に危険を知らせることが重要です。停車後は速やかに車外へ避難し、車両から十分な距離をとりましょう。積荷の種類によっては爆発や有毒ガスが発生するリスクもあるため、風上側への避難が重要です。
安全を確保したら、消防や警察へ速やかに通報します。高速道路上では非常電話の利用も有効です。通報の際には、場所・車両の状態・積荷の種類などをできる限り正確に伝えましょう。
火がまだ小さく、安全が確保できる状況であれば、消火器などを使用して初期消火を試みることも選択肢のひとつです。ただし、火が大きい場合や燃料タンク付近からの出火の場合は、無理な消火は厳禁です。自身の安全を最優先に考え、消防の到着を待つようにしましょう。
トラック火災の予防法

トラック火災を防ぐためには、日頃からの点検・整備が何より重要です。エンジンルーム内の煤や汚れの蓄積、燃料ホースや配線の劣化、排気管の緩みや外れなどは火災の直接的な原因となるため、定期点検の際には見落としのないよう確認することが欠かせません。
また、タイヤの空気圧管理や過積載の防止も有効な予防策です。適切な空気圧を維持し、積載量を守ることでタイヤへの負荷を軽減し、摩擦熱による出火リスクを抑えることができます。
車内に消火器を常備しておき、万が一の際に初期消火に対応できる体制を整えておくことも大切です。異臭や白煙、警告灯の点灯など火災の前兆を見逃さず、異変を感じたら早めに専門業者に相談するようにしましょう。
トラック火災を防ぐためには
トラック火災は、エンジンのオーバーヒートや燃料漏れ、配線トラブル、整備不良など、さまざまな要因によって引き起こされます。車両の異変を感じたら早めに専門家へ相談し、適切なメンテナンスを行うことが火災防止の基本といえます。
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この記事を監修した人
トラックランド管理人:高良
神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
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実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。
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