本 社 / 兵庫県たつの市龍野町日山22-25
設 立 / 平成27年
事業内容 / 一般貸切・乗合旅客運送事業
貸出車両 / ハイエースコミューター
地域の実情に応じた方策を
地域をつなぐ
新しいサービス展開
兵庫県の南西部に位置しているたつの市は、「播磨の小京都」とも呼ばれている。北側には山地、南は瀬戸内海に面していて、市の南北を貫く形で揖保川が流れている。揖保川の水は透明で、見ていてすがすがしい。高級そうめんの「揖保乃糸」や、ヒガシマル醤油を筆頭とする醤油メーカー、伝統的な皮革製品、そして童謡「赤とんぼ」の発祥の地としても有名である。凛々しい龍野城も名所のひとつで、観光名所にもなっている。このたつの市で、地元密着の貸し切りバス事業を行っている株式会社赤とんぼ観光の代表取締役の藤原亘人氏と、亘人氏の父であるオーナーの藤原浩樹氏にお話を伺った。亘人氏が浩樹氏から赤とんぼ観光の経営を譲渡されたのは、平成28年10月。それまで亘人氏はトラックドライバーとして働いていた。
―この町に合った事業の一端を担う
現在、ハイエースコミューター・大型バスを取り扱うたつの市に欠かせない企業
もともと運送会社としてスタートしたが、その後、タクシー事業を手掛け、今はタクシーとバスという形で営業している。一般旅客自動車運送事業など、運輸省の4つの許可をすべて受けているので、車を使用する事業に関してはオールマイティだと自負している。
その実績と人脈を生かし、たつの市の乗り合いタクシー事業構築に大きく関わった。
平成29年1月から始まった「市民乗り合いタクシー あかねちゃん」は、3年前に弊社が市に草案を出した。企画の具体化や手続きなどについて提案するなど、スタートの時点から関わらせてもらった。現在、地元の6つの同業者で各2台ずつ車を出し、運行している。お互いに協力して力を尽くそうということで、各社間の調整役も担当した。
「あかねちゃん」は、利用したい日時を事前に電話で予約すると、自宅や指定の場所まで迎えの車両が行き、他の人も乗り合って目的地までお連れするサービス。小学生や高齢者、ハンディキャップを持った方などは200円で利用できる。知名度も高くなり、たくさんの方にご利用いただいている。現在、市には1日200件ほどの申し込みが殺到している。
少子高齢化が進み、町全体でタクシーを使う人が多くなってきていることは、だいぶ前から感じていた。路線バスもあるがバス停まで行かなければならないというのは、人によってはかなり大きな負担になる。なんとかならないかと思い、提案したのが「あかねちゃん」の事業だった。成功事例として認識されているが、これからこういう施策を実行していかなければならないということは、以前から常々感じていた。自分たちの住む市に対して、多少なりとも貢献できたのではないかと考えている。
たとえばどこか他の自治体へ視察へ行って、そこで採用されている方法を取り入れてみようということになっても、そのままではうまくいくとは限らない。やはりその土地ならではの事情に応じた工夫が必要になってくる。その点で、この「あかねちゃん」事業は、たつの市の特徴に適したシステムとして構築できたのではないかと思っている。5年後の構想も頭の中にある。この先も安定した運用を目指していきたい。
―長く信頼していただける仕事を
赤とんぼ観光単体の業務について
お客様は、法人や個人だけでなく、行政関係の方も多い。役所の課の旅行や、観光協会の視察旅行、また、県大会や練習試合、合宿など学校のスポーツ関連でも送り迎えの業務を担当している。幼稚園や保育園からの発注も増えており、親子遠足などのイベントに使っていただいている。個人の方だと、法事の会食等の冠婚葬祭や、親戚の集まりで温泉へ行きたいといったご要望にお応えしている。時期的に忙しくなるのは、蟹のシーズンの2月。旅行会社からの依頼などで、蟹を食べに行くツアーのお客様の送り迎えをする機会が多くなるためである。観光シーズンが終わると、学校関係でご利用いただくというサイクルの流れがある。
リースdeスグのりを導入した経緯は
弊社配布のハイエースコミューターの車両広告を見て検討し、平成29年の7月に導入した。「あかねちゃん」事業で、6業者のうちの弊社以外の5社はタクシー車両で運行しているが、弊社はそのハイエースを出している。団体さんなどの大人数に対応でき、ゆったり乗ってもらえるので好評をいただいている。お客様それぞれのニーズ、希望に応えることができ、需要を掘り起こすことができた。 気軽に試せるというのが導入の最大の動機だった。新車を納入してもらえ、1年更新というのも大きな魅力。高齢の方にご利用いただくことが多いので、改善する点があるとしたら、乗降口にステップがあるとより快適に使っていただけるのではないかと思う。また、ディーゼル車があれば、選択の幅が広がるとも思う。 機会があったら、これからも検討していきたい。
今後の展望について
今日できることは今すぐにやる、ということはモットーとして常に頭にある。プロの方に運転して運んでもらえると安心という言葉をお客様にいただくことがあるが、とても嬉しいし、これからもそう言っていただけるよう、信頼に値する仕事をしなければと思っている。 販促の点では、会社間の送迎など、法人の方のご利用を増やしていければと考えている。幅広い年齢のニーズに、今後もきめ細やかに対応していきたい。引き続き地元密着で、かつ「よそがやらないことをやる」という気持ちで、業務に当たっていく。