トラック運送業界において、安全性への取り組みが優れた事業所に与えられる「Gマーク」をご存じでしょうか。Gマークの取得は、荷主や取引先からの信頼獲得につながるだけでなく、さまざまな優遇措置を受けられるなど、事業運営上のメリットも多い認定制度です。
今回の記事では、Gマークの概要や制度の目的、取得条件・評価項目、取得の流れなどを解説します。Gマークの取得を検討されている場合には、ぜひ参考にしてみてください。
Gマークとは?

Gマークとは、公益社団法人全日本トラック協会が実施する「安全性優良事業所認定制度」において、一定の安全基準を満たしたトラック運送事業者の事業所に与えられる認定マークです。「G」はGood(よい)、Glory(繁栄)の頭文字に由来しており、安全性の高い事業所であることを示すシンボルとして使用されています。
この制度は2003年7月にスタートし、国土交通省が推進する制度として広く普及してきました。認定は会社単位ではなく事業所単位で行われ、3つの評価テーマにおいて100点満点中80点以上を取得することが認定の要件とされています。認定を受けた事業所には認定証が授与され、トラックへのGマークステッカーの貼付や、名刺・ホームページへのロゴ掲載が認められます。
制度の目的
トラック運送事業者の安全性を客観的に評価・認定・公表することで、利用者がより安全性の高い事業者を選びやすい環境を整備することにあります。荷主企業や一般消費者が運送事業者を選ぶ際に、安全性の高さを判断するための客観的な指標として機能しています。
また、認定制度を通じて事業者自身の安全意識を高め、トラック運送業界全体の安全性向上を促進することも重要な目的のひとつです。
認定取得に向けた取り組みの過程で、法令遵守の徹底や安全教育の強化、社内体制の整備が進み、結果として事故の減少や輸送品質の向上につながっています。
取得するメリット
荷主や取引先からの信頼性が向上する
Gマークの取得は、安全性の高い事業所であることを第三者機関が認めた証です。荷主企業に対して安心して荷物を任せられる事業者であることをアピールでき、新規取引の獲得や既存取引先との関係強化につながります。
違反点数の消去期間が短縮される
Gマーク認定事業所では、行政処分に関する違反点数の消去期間が通常の3年間から2年間に短縮される優遇措置があります。事業継続のリスク軽減につながるメリットです。
IT点呼などの特例措置が認められる
Gマーク認定事業所には、対面に代えてIT機器を活用した点呼(IT点呼)が認められるなどの運用面での特例措置もあります。営業所間等での遠隔点呼が可能になることで、業務の効率化やドライバーの負担軽減につながります。
助成金・融資制度で優遇を受けられる
全日本トラック協会による安全装置の導入助成や研修に関する助成金の増額など、Gマーク認定事業所には各種助成制度における優遇措置が設けられています。安全への投資をサポートする仕組みが整っているため、経営面でのメリットも大きいです。
保険料の割引が適用される場合がある
一部の損害保険会社では、Gマーク認定事業所に対して事業用自動車保険の割引を設定しています。車両台数が多い事業所ほど保険料の削減効果が大きくなるため、コスト面での恩恵を実感しやすいメリットです。
Gマークの取得条件・評価項目
Gマークの認定を受けるには、運輸開始後3年を経過していること、配置する事業用自動車が5両以上であることなどの申請資格を満たしたうえで、3つの評価テーマにおいて合計80点以上を獲得する必要があります。
各テーマにはそれぞれ基準点数が設けられており、すべてのテーマで基準点数以上を満たすことも認定の要件です。
安全性に対する法令の遵守状況(配点40点)
1つ目の評価テーマは、関係法令を適切に遵守しているかどうかの評価です。適正化事業指導員による事業所への巡回指導の結果をもとに、運行管理や車両管理、労務管理などの実施状況が評価されます。
具体的には、点呼の実施状況、運転者台帳や運行記録計の適切な管理、運転時間等の基準遵守、社会保険や労働保険への加入状況などが主な評価項目です。日常的な帳票類の管理や法定書類の整備が適正に行われているかどうかが問われるため、日頃からの確実な運行管理体制の構築が求められます。
事故や違反の状況(配点40点)
2つ目の評価テーマは、過去の事故や違反の発生状況に関する評価です。申請事業所における重大事故の有無や交通違反の状況、行政処分の履歴などが確認されます。
事故件数が少ないほど評価点が高くなる仕組みであり、重大事故や悪質な法令違反がある場合は大きく減点されます。このテーマで高い評価を得るためには、日常的な安全教育の徹底やドライバーの運転技能向上に向けた取り組みを地道に続け、事故や違反の発生を未然に防ぐことが不可欠です。
安全性に対する取り組みの積極性(配点20点)
3つ目の評価テーマは、安全性向上に向けた自主的な取り組みの積極性に関する評価です。他の2つのテーマが法令遵守や事故実績といった「守りの安全」を評価するのに対し、このテーマでは事業所が自ら進んで実施している安全施策が評価の対象となります。
具体的には、事故防止対策マニュアルの作成・活用、安全に関する会議や研修への参加実績、デジタルタコグラフやドライブレコーダーの導入・活用状況、外部の安全研修への参加など、多岐にわたる項目が評価されます。
安全性の向上に向けてどれだけ積極的に取り組んでいるかが問われるため、形式的な対応ではなく、実質的な安全活動を継続的に行っていることが重要です。
Gマークの取得方法・流れ

Gマークを取得するには、全日本トラック協会が実施する「貨物自動車運送事業安全性評価事業」に申請し、審査を受ける必要があります。まずは、申請対象となる営業所や受付期間、必要書類を確認します。Gマークは会社単位ではなく、原則として営業所単位で認定されるため、複数の拠点がある場合は営業所ごとに準備が必要です。
次に、申請書や安全管理に関する資料、点呼記録、運転者教育の記録、車両管理に関する書類などをそろえます。申請後は、法令遵守の状況や事故・違反の有無、安全性への取り組みなどが総合的に評価されます。
審査の結果、基準を満たしていると認められた営業所にはGマークが付与されます。ただし、有効期間があるため、取得後も安全管理を継続し、更新手続きを行うことが大切です。
Gマークについて
今回は、Gマークの概要や制度の目的、取得するメリット、取得条件・評価項目、申請の流れなどを解説しました。Gマークは、安全性に優れたトラック運送事業所であることを示す認定マークです。荷主や取引先からの信頼向上につながるだけでなく、IT点呼などの特例措置や助成制度、保険料の割引など、事業運営上のメリットも期待できます。
Gマークを取得するには、法令遵守の状況や事故・違反の有無、安全性に対する積極的な取り組みなどが総合的に評価されます。日頃から点呼や運転者教育、車両管理、事故防止活動などを適切に行い、継続的に安全管理体制を整えておくことが大切です。
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この記事を監修した人
トラックランド管理人:高良
神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
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実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。
趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。
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