トラックへの荷物の積み込みや荷下ろし、フォークリフトによる運搬など、荷役作業にはさまざまな危険が潜んでいます。「荷台から落ちそうになった」「荷物が崩れかけた」「フォークリフトと接触しそうになった」といったヒヤリハットを放置すると、重大な労働災害につながるおそれがあります。
事故を防ぐためには、荷役作業中にどのようなヒヤリハットが起こりやすいのかを把握し、作業環境や手順を見直すことが大切です。
今回の記事では、荷役作業中に起こりうるヒヤリハット・事故を紹介するとともに、事故を防ぐための対策について解説します。
荷役作業中に起こりうるヒヤリハット・事故

それでは、荷役作業中に起こりうる具体的なヒヤリハットや事故を紹介し、それを防ぐためのポイントも解説します。
トラックの荷台から墜落・転落する
荷物の積み込みや荷下ろしの際には、トラックの荷台から足を踏み外したり、荷台の上でバランスを崩すなどして墜落・転落する危険があります。とくに、荷台端付近での後ずさりや、不安定な場所での移動、荷締めやシート掛けの作業中は注意が必要です。
【事故を防ぐポイント】
作業前に足元や周囲の状況を確認し、荷台への昇降には昇降設備を使用することが重要です。また、昇降時は手足の4点のうち3点を確保する「三点確保」を徹底し、滑りやすい場所では耐滑性のある靴を使用するなど、安全な作業環境を整えましょう。
荷崩れ・荷物の落下に巻き込まれる
荷物の積み込みや荷下ろしでは、積み方が不安定だったり、運搬中の振動で荷物がずれたりすることで荷崩れが起こり、作業者が落下した荷物に巻き込まれるおそれがあります。とくに、荷室の扉を開けるときや、荷締め・シートを外す際は注意が必要です。
【事故を防ぐポイント】
荷が落下してこないかを事前に確認し、鋼管や丸太、ロール紙など転がりやすい荷物は歯止めなどで確実に固定することが重要です。また、破損したパレットは使用せず交換するなど、荷崩れにつながる要因を取り除くことも大切です。
フォークリフトと接触・衝突する
荷役作業では、走行中のフォークリフトと作業者が接触したり、荷物や設備に衝突したりする事故にも注意が必要です。とくに、バック走行時や荷物によって前方の視界が遮られている場合、通路の死角から人が出てくる場合などは危険性が高まります。
【事故を防ぐポイント】
後方・前方確認を徹底し、構内の制限速度を守ることが重要です。また、フォークリフトの走行場所と歩行通路を分け、死角にはミラーを設置するなど、人と車両が接近しにくい環境を整えることが欠かせません。
ロールボックスパレットに挟まれる・ひかれる
ロールボックスパレットを用いる現場では、作業者が本体と壁や荷物の間に挟まれたり、キャスターに足をひかれたりする事故に注意が必要です。とくに、見通しの悪い場所や床に凹凸・傾斜がある場所、重量のあるロールボックスパレットを扱う場面では危険性が高まります。
【事故を防ぐポイント】
前方に押して移動することを基本とし、見通しの悪い場所では一時停止し、周囲の確認を徹底する必要があります。また、重量物は無理に1人で扱わず、必要に応じて複数人で作業することも大切です。
テールゲートリフターから転落・挟まれる
テールゲートリフターを使った荷物の積み下ろしでは、昇降板からの転落や、動作中の昇降板に接近することによる挟まれ事故などに注意が必要です。昇降板は揺れやすく、傾きによって荷物が動き出すこともあります。
【事故を防ぐポイント】
平坦な場所で使用し、昇降板やキャスターのストッパーを確実に使用することが重要です。また、昇降板上では十分な作業スペースを確保し、動作中の昇降板には触れたり近づいたりしないようにしましょう。
クレーンのつり荷に接触・下敷きになる
クレーンを使った荷役作業では、つり荷の周辺に作業者が入り、荷に接触したり、荷の落下によって下敷きになったりする事故に注意が必要です。また、設置場所の地盤が不安定だったり、定格荷重を超えて使用したりすると、クレーンの転倒につながるおそれがあります。
【事故を防ぐポイント】
つり上げ荷重に応じた資格を持つ作業者が操作し、定期自主検査を欠かさないことが重要です。移動式クレーンでは、地耐力や傾斜を確認し、必要に応じて敷鉄板を使用するなど、安定した設置環境を確保しましょう。
コンベヤーに巻き込まれる・挟まれる
コンベヤーを使った荷役作業では、手や衣服が巻き込まれたり、荷詰まりを直そうとして挟まれたりする事故に注意が必要です。とくに、稼働中のコンベヤーに手を出したり、反対側へ移動するためにコンベヤーをまたいだりする行為は危険です。
【事故を防ぐポイント】
荷詰まりの解消や点検・修理を行う際に必ずコンベヤーを停止し、安全な通路や踏切橋を利用することが重要です。また、巻き込まれやすい部分には覆いを設け、非常停止装置を備えるなどの設備対策も有効です。
荷物を運搬中につまずく・転倒する
荷物を手で運んでいる最中は、足元が見えにくくなり、床の段差や凹凸、置かれた資材などにつまずいて転倒するおそれがあります。とくに、荷物で両手がふさがっている場合や、後ずさりしながら作業する場面では注意が必要です。
【事故を防ぐポイント】
作業前に通路や床面の状態を確認し、整理整頓を徹底することが大切です。また、段差の解消や床面の防滑化、耐滑性のある安全靴の使用に加え、荷物の運搬には台車などを活用し、無理な姿勢や持ち方を避けましょう。
重量物の取り扱いで腰や身体を痛める
重量のある荷物を持ち上げたり、押したり、運んだりする作業では、腰や肩、腕などに大きな負担がかかり、腰痛や筋肉・関節の痛みにつながるおそれがあります。とくに、中腰の姿勢で持ち上げる、身体をひねりながら運ぶ、無理に1人で扱うといった作業は注意が必要です。
【事故を防ぐポイント】
できるだけ台車などの機械・道具を活用し、重量物は必要に応じて複数人で取り扱うことが大切です。また、作業前の準備運動や、長時間運転後に小休止・ストレッチを行うなど、身体への負担を軽減する工夫も心がけましょう。
停車中のトラックが動き出す
荷役作業中は、停車しているトラックが意図せず動き出す「逸走」にも注意が必要です。車両が動き出すと、周囲の作業者との接触や、荷役設備・荷物との衝突など、重大な事故につながるおそれがあります。
【事故を防ぐポイント】
荷役作業を始める前に逸走防止措置を確実に行うことが重要です。また、万が一トラックが動き出した場合は、無理に車両を止めようとしたり、走行中の運転席に乗り込もうとしたりせず、安全を最優先に行動しましょう。
荷役作業中に起こりうる事故を防ぐためには

荷役作業中の事故を防ぐには、作業前に危険箇所や作業手順を確認し、整理整頓や安全な通路の確保、保護具の着用など、基本的な安全対策を徹底することが重要です。
さらに、ヒヤリハット事例を共有し、安全衛生教育や危険予知活動を継続することで、現場全体の安全意識を高めることができます。
この記事を監修した人
トラックランド管理人:高良
神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
これまでに監修した記事は200件以上!中古トラックに関する豊富な知識と経験を活かし、中古トラック業界の最新情報やお役立ち情報を発信しています。
実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。
趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。
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