トラックの後部や側面に取り付けられている反射板は、夜間や悪天候時に車両の存在を周囲へ知らせるための重要な部品です。
一方で、「トラックの反射板の取り付けは義務なのか」「どの位置に取り付ければよいのか」「車検に通る基準はあるのか」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、トラックの反射板の役割をはじめ、保安基準、取り付け方や注意点などを解説します。トラックの安全性を高めたい方や、車検前に反射板の状態を確認したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
トラックの反射板とは?
反射板(反射器)とは、他の車両のヘッドライトなどの光を反射して自車の存在を周囲に知らせるための保安装置です。反射板自体は発光するわけではなく、外部からの光を反射する構造になっており、夜間やトンネル内、視界が悪い状況でも後続車や周囲の車両からトラックの位置や大きさを認識しやすくする役割を担っています。
反射板の取り付けは、道路運送車両法に基づく保安基準(道路運送車両の保安基準)によって義務づけられています。普通自動車や小型自動車を含むすべての車両に後部反射器の装着が求められますが、車両の大きさや種類によっては、側方反射器や大型後部反射器などの装着も義務づけられています。
車両の大きさや種類によって求められる反射板の種類や設置箇所が異なるため、車両にどのような反射板が必要かを正しく把握しておくことが大切です。
反射板が破損していたり、基準を満たさない状態で走行していたりすると、車検に通らないだけでなく、整備不良として取り締まりの対象となる可能性もあります。
トラックの反射板の保安基準

反射板は、道路運送車両の保安基準によって取り付ける位置や色、形状などが細かく定められています。
ここでは、部位ごとの基準を解説します。
後部反射器
後部反射器は、自動車の後面に取り付けが義務づけられている赤色の反射板です。トラックに限らず乗用車にも設置義務がありますが、トラックは車体が大きいため、後続車両への被視認性確保がより重要になります。
後部反射器の主な基準は以下のとおりです。
・色は赤色であること
・形状は、被牽引自動車以外の車両では文字および三角形以外であること
・被牽引自動車に備える後部反射器は、正立正三角形または中空の正立正三角形であること
・夜間に後方150mの距離から走行用前照灯で照射した際に、反射光を確認できるものであること
・取り付け位置は、上縁の高さが地上1.5m以下、下縁の高さが地上0.25m以上であること
・最外側の後部反射器は、最外縁が車両の最外側から400mm以内となるように取り付けること
・反射器の性能を損なわないよう、損傷や著しい汚れがない状態を保つこと
参考:後部反射器| 国土交通省
側方反射器
側方反射器は、トラックの両側面に取り付ける反射板です。全長6mを超える車両や被牽引自動車などに設置が義務づけられており、夜間や視界の悪い状況で車両の側面位置を周囲に知らせる役割があります。
側方反射器の主な基準は以下のとおりです。
・色は橙色であること
・後部に備えるもので、尾灯や後部反射器などと構造上一体となっている場合は赤色でもよいこと
・形状は文字および三角形以外であること
・反射部の面積は10㎠以上であること
・夜間に側方150mの距離から走行用前照灯で照射した際に、反射光を確認できるものであること
・取り付け位置は、上縁の高さが地上1.5m以下、下縁の高さが地上0.25m以上であること
・反射器に損傷がなく、反射面が著しく汚れていないこと
前部反射器
前部反射器は、被牽引自動車(トレーラー)の前面の両側に取り付けが義務づけられている反射板です。一般的なトラック単体には前部反射器の設置義務はありませんが、トレーラーなどの被牽引自動車には必要になります。
前部反射器の主な基準は以下のとおりです。
・色は白色であること
・形状は文字および三角形以外であること
・夜間に前方150mの距離から走行用前照灯で照射した際に、反射光を確認できるものであること
・取り付け位置は、上縁の高さが地上1.5m以下、下縁の高さが地上0.25m以上であること
・反射部の最外縁は、自動車の最外側から400mm以内となるように取り付けること
大型後部反射器
大型後部反射器は、貨物の運送の用に供する普通自動車で、車両総重量が7t以上のものに対して、通常の後部反射器に加えて取り付けが義務づけられている反射板です。通常の後部反射器よりも大きなサイズで、遠方からの視認性を高めることを目的としています。
大型後部反射器には、被牽引自動車以外に備える縞模様のタイプと、被牽引自動車に備える額縁型のタイプがあります。
大型後部反射器の主な基準は以下のとおりです。
・被牽引自動車以外に備えるものは、黄色の反射部と赤色の反射部または蛍光部からなる45±5°の縞模様で、縞の幅は100±2.5mmであること
・被牽引自動車に備えるものは、黄色の反射部が赤色の反射部または蛍光部に囲まれた構造で、その幅は40±1mmであること
・一辺の長さは130mm以上であること
・幅は130〜150mmであること。ただし、被牽引自動車に備えるものは195〜230mmであること
・長さの合計は1,130〜2,300mmであること
・個数は1個、2個、または4個であること
・取り付け位置は、下縁の高さが地上0.25m以上、上縁の高さが地上1.5m以下であること
・縞模様のものは、車両中心線上の鉛直面に対して左右対称となるように取り付けること
・昼間に後方150mの位置から赤色部を確認できるものであること
・損傷や反射面の著しい汚損がないこと
なお、平成23年9月1日以降の生産車両には、ECE R70などの技術要件に対応した大型後部反射器の装着が必要です。旧規格の製品は適合しない場合があるため、購入時には車両の年式や対応規格を確認するようにしましょう。
反射板の取り付け方・注意点

反射板の取り付け方法は、ボルト固定と両面テープの2つが一般的です。ボルト固定は振動や衝撃による脱落のリスクが少なく、長期間安定して使用できるため、トラックの反射板には最も適した方法です。両面テープによる取り付けは手軽ですが、経年劣化や振動で剥がれる可能性があるため、定期的な点検が欠かせません。
取り付け時には、保安基準で定められた位置・高さを正確に守ることが大前提です。左右対称に設置すること、可動部分の動作時にも反射板の視認性を妨げない位置に設置するのも重要なポイントです。
また、反射板は取り付けて終わりではなく、日常的なメンテナンスも大切です。汚れが付着すると反射性能が低下するため定期的な清掃を行い、割れや欠け、色あせが見られる場合は速やかに交換しましょう。破損や著しい汚損がある状態では車検に不合格となるだけでなく、夜間の視認性が低下し事故のリスクが高まります。
トラックの反射板について
今回は、トラックの反射板の役割や保安基準、取り付け方・注意点などを解説しました。反射板は夜間の視認性を確保し、交通事故を防止するために欠かせない保安装置です。後部・側方・前部・大型後部のそれぞれに保安基準が定められていますので、自社の車両に必要な反射板が正しく取り付けられているかを定期的に確認しておきましょう。
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この記事を監修した人
トラックランド管理人:高良
神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
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