いよいよ今年10月1日から消費税の引き上げが実施される予定です。この改正により、消費税は飲食料品、新聞を除いて原則10%へと変更されます。この消費税増税後は需要の冷え込みが予測されますが、その対応策として、国が「キャッシュレス・消費者還元事業」という事業を予定していることはご存知でしょうか?今回は、この「キャッシュレス・消費者還元事業」の概要を見ていきたいと思います。
まず、本事業は、本年10月1日から
来年6月までの9ヶ月間において、消費者がクレジットカード、電子マネー、QRコードなどのキャッシュレス決済手段を用いて中小・小規模の小売店・サービス業者・飲食店等で支払を行った場合、その決済金額の5%または2%(コンビニ等のフランチャイズチェーンでの買い物の場合は2%)を、国から決済事業者を通して消費者へ
ポイントで還元するという制度です。
消費者は、キャッシュレス決済を用いるだけで少しお得に買い物ができ、事業者は、この事業の加盟店に登録しておけば集客効果UPが期待できます。消費者還元が行われる対象業種は、現段階では基本的に全事業となっていますが、風俗営業や反社会的組織の関係する取引、別に需要対策が講じられている住宅、自動車の購入や換金性の高い切手、印紙、プリペイドカードなどの購入は対象外となる予定ですので、いわゆる日常の買い物の範囲内であればほぼ対象になると言って良いでしょう。
この対象業種は、消費税が8%に据え置かれる飲食料品の販売についても還元の対象になっていますので、全ての要件を満たせば実質的に消費税率が3%で購入できることになります。あとは、買い物先の店舗が本事業の加盟店かどうかを判別することになりますが、9月から対象店舗による一斉PRが予定されておりますので、皆さまには10月からのポイント還元開始に先立ち、本事業の対象となるお店をマークしておくことをお勧めします。
最後に、ここまで消費者の立場から本事業のメリットを書きましたが、本事業は、事業者の立場として参加できればそれだけで集客力UPが期待できる上に、キャッシュレス決済手段の設備を導入する場合は、自己負担0で決済端末等を導入することができます。
この事業への参加資格があるかどうかは、細かい要件がありますのでここでは割愛しますが、要件の一つである中小・小規模事業者に該当するかどうかは、下記表のうちの中小企業者であることが条件となります。もしこの条件を満たす事業者の方であればその他の要件もご確認の上、これを機にキャッシュレス決済手段の導入を検討してみると良いかもしれません。