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トラックでマニュアルが主流なのはなぜ?理由やオートマとの違いなど

まなびのコラム

トラックでマニュアルが主流なのはなぜ?理由やオートマとの違いなど

普通車ではオートマチック(AT)車が主流となって久しい一方、トラック・バスにおいては依然としてマニュアル(MT)車が数多く利用されています。その背景には、トラック特有の運転環境や積載条件、耐久性や燃費性能に関する特性が大きく関係しています。さらに、車両価格や整備性、ドライバーの操作感など、業務効率や経済性に直結する要素も無視できません。

今回の記事では「トラックでマニュアルが主流なのはなぜなのか?」をテーマに、理由やオートマとの違い、メリット・デメリットなどを解説します。

トラックでマニュアルが主流なのはなぜ?

マニュアル車の定義や仕組みなどを解説した上で、トラックでマニュアルが多い理由を解説します。

そもそもマニュアル車とは?

運転者がクラッチペダルとシフトレバーを操作して変速を行う方式の自動車を指します。エンジンの回転を一時的に切り離すクラッチ操作と、ギア比を変えるシフト操作を組み合わせることで、走行速度や路面状況に応じて駆動力を調整できます。

現在では普通車の多くがオートマチック車に移行していますが、トラックやバス、スポーツカー、一部の商用車などでは依然としてマニュアル方式が採用されています。

トラックでマニュアルが多い理由

トラックのマニュアル車が多い主な理由として「耐久性が高い」「燃費が良い」「購入・維持費用が安い」というのが挙げられます。

耐久性が高い

構造がシンプルで、電子制御や複雑な油圧機構が少ないマニュアル車は、故障リスクが低く耐久性に優れています。特にトラックは重量物の積載や長距離走行など車両への負荷が大きく、耐久性が重要です。マニュアル車のほうが部品交換や修理が比較的容易で、消耗部品の交換費用も抑えやすく、整備性に優れています。そのため過酷な環境下でも長期間安定して稼働でき、結果として車両の稼働率向上やライフサイクルコストの削減にもつながることが、多くの業者に選ばれている理由です。

燃費が良い

マニュアル車はドライバーがギアを任意に選択でき、エンジン回転数を最適な範囲で維持できるため、走行条件や積載状況に応じて燃料消費を抑えることが可能です。特に長距離輸送や燃料価格が高騰している状況では、燃費の良さは経営面に大きく影響します。経験豊富なドライバーほど燃費効率を高めやすく、運送コスト削減にも直結します。結果として企業の収益改善や環境負荷軽減にもつながります。

購入・維持費用が安い

オートマ車に比べて製造コストが比較的低いマニュアル車は、車両価格が抑えられる傾向にあります。また、先述した通り複雑な機構が少ないため修理や部品交換の費用も安く、長期的な維持費用も削減できます。複数台のトラックを保有する事業者にとっては、初期投資とランニングコストの両面で負担を軽減でき、経営の安定化にも寄与します。

オートマトラックのメリット・デメリット

オートマトラックのメリット・デメリット

一方、オートマトラックにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

クラッチ操作が不要で発進・加速がスムーズなため、運転の負担を大幅に軽減できます。特に渋滞や都市部での頻繁な発進・停止が多い配送業務では、ドライバーの疲労軽減に大きく寄与します。

また、運転技術の差が燃費や車両への負担に与える影響が少ないため、未経験者や新人ドライバーの採用・育成がしやすくなります。さらに、坂道発進やバック時の挙動も安定しており、安全面でも優れています。

デメリット

オートマトラックはマニュアル車に比べて車両価格や修理費用が高く、購入時・維持管理コストがかさむ傾向にあります。さらに、複雑な電子制御や油圧機構を備えているため、故障時には専門的な修理対応が必要となり、部品の交換費用も高額になりやすいのが現状です。場合によっては修理期間が長引き、その間の代車手配や稼働計画に影響を及ぼす可能性もあります。

また、熟練ドライバーにとっては操作感やギア選択の自由度といった細かい車両コントロールのしやすさの部分で物足りなさを感じるケースもあります。

セミオートマとは?

セミオートマとは?

クラッチペダルを踏まずに変速操作ができるトランスミッション方式のことです。内部構造はマニュアル車に近く、トルク伝達はクラッチを介して行われますが、クラッチ操作は電子制御によって自動化されています。運転者はシフトレバーで変速指示を出すだけでよく、発進や停止、加速時もクラッチ操作を意識する必要がありません。

近年、国内の中型・大型トラックでも普及が進んでおり、マニュアルの燃費性能や耐久性を活かしつつ、オートマに近い操作性を実現できる点が評価されています。特に、渋滞や都市部での発進・停止が多い配送業務では、ドライバーの負担軽減や運転ミスの防止につながります。

また、マニュアル免許を持つドライバーであれば操作に違和感が少なく、従来のMT車からの移行も比較的スムーズです。燃費と運転負荷のバランスが取れた選択肢として、今後さらに普及が見込まれています。

マニュアルトラックの運転のコツ

マニュアルトラックの運転のコツ

マニュアルトラックを安全かつ効率的に運転するためには、まずクラッチとシフト操作のタイミングを正確に掴むことが重要です。発進時はクラッチ操作を丁寧に行い、エンジン回転数を安定させてからクラッチをつなぐとスムーズに動き出せます。変速時は、シフトアップではエンジン回転が上がりすぎないうちに行い、シフトダウンでは軽くアクセルを踏み回転を合わせる「ブリッピング」で衝撃を抑えましょう。

また、積載状態によって必要な加速やブレーキ距離が変わるため、常に車両の重量を意識して操作します。坂道発進では、サイドブレーキを併用して後退を防ぎながら半クラッチに移行するのが基本です。さらに、長距離運転では高いギアを使いエンジン回転を低く保つことで燃費を向上させられます。状況に応じたギア選びと丁寧な操作が、マニュアルトラックにおいては重要です。

トラックでマニュアルが多い理由について

トラックでマニュアル車が主流なのは、耐久性や燃費性能、維持コストの面で商用利用に適しているためです。一方で、オートマやセミオートマも操作性やドライバー負担軽減の面で普及が進んでおり、用途や運転環境に合わせた選択が求められます。

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この記事を監修した人

この記事を監修した人 トラックランド管理人:高良

神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
これまでに監修した記事は200件以上!中古トラックに関する豊富な知識と経験を活かし、中古トラック業界の最新情報やお役立ち情報を発信しています。

実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。

趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。

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