普段トラックを使用している方でも、シャーシの構造や役割、種類の違いについて詳しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
シャーシの構造や特性を知ることで、トラック選びや運用、さらにはメンテナンス等で活かせることがあるでしょう。
今回の記事では、シャーシの基本的な構造や役割を解説するとともに、種類やそれぞれの特徴、関連するトラブルなどを紹介します。シャーシについての知識を深めたい方はぜひ最後までご覧ください。
トラックのシャーシとは?
トラックは、キャビン(運転席)、ボディ(荷台部分)、そしてシャーシの3つに分けることができます。その中でシャーシは、トラック全体を支える骨組みとなる部分で、エンジンやタイヤ、サスペンション、ブレーキなどの主要部品が取り付けられる基盤でもあります。
シャーシはトラックの耐久性や安全性、走行性能を左右する重要な部分であり、輸送する貨物の重量や使用環境に応じた様々な仕様が存在します。
構造
シャーシは、主に以下の要素で構成されています。
フレーム
トラックの骨格に相当し、車両全体の荷重を支える部分で、鋼製のレール(メインフレーム)を使用し、強度と耐久性が確保されています。フレームの設計は、車両の長さや積載量だけでなく、使用環境にも配慮され、重量分散や路面からの衝撃を吸収しやすい形状になっています。塗装や防錆処理が施される場合も多く、過酷な環境下でも耐久性を保てるよう工夫されています。
アクスル(車軸)
シャーシに取り付けられているアクスル(車軸)は、タイヤとフレームを接続する役割を担います。トラックの駆動方式に応じて仕様が異なり、それぞれに応じた設計が施されています。耐荷重性能や悪路での安定性を向上させるために材質や形状が工夫されています。
サスペンション
トラックの走行中に発生する振動や衝撃を吸収し、車両の安定性や乗り心地を向上させる部品です。リーフスプリングやエアサスペンションが主に採用され、リーフスプリングは頑丈でコストパフォーマンスが高く、重量物を運ぶトラックで多く使用されます。一方、エアサスペンションは衝撃吸収性が優れており、精密機器や高価な貨物を運搬する際に最適です。サスペンションの種類によって燃費やタイヤの摩耗にも影響を与えます。
クロスメンバー
フレームの左右をつなぐ補強材で、フレーム全体の剛性を高める役割があります。クロスメンバーの存在によって、フレームがねじれたりたわんだりすることを防ぎ、車両全体の耐久性や安全性を向上させます。フレームの形状や用途に応じて配置や設計が異なり、トラックの積載荷重や使用環境に最適化されています。クロスメンバーには取り付け部品の基盤としての役割もあり、エンジンマウントや燃料タンクなどが固定されます。
トラックのシャーシの種類
シャーシの種類として、2軸シャーシ、3軸シャーシ、MG付きシャーシが挙げられます。それぞれの特徴を解説します。
2軸シャーシ
前後に2本の車軸を備えた車両の一般的な構造で、シンプルな設計ゆえに重量が比較的軽く、メンテナンスの手間も抑えられます。小型トラックでは、2軸シャーシが基本で、取り回しがしやすい点が魅力です。燃費効率も良いため、環境負荷が少なく経済的な運行が可能ですが、積載能力には限界があるため、大型貨物の輸送には適しません。
3軸シャーシ
2軸シャーシよりも車軸が1本多い構造で、積載能力と安定性が向上することから重量物や大型貨物を扱うトラックで採用されます。荷重が分散されることで負担が減り、走行時の安定感が高まる一方、車両重量が増すため燃費に関しては2軸シャーシよりも悪くなります。また、メンテナンスの複雑化や運用コストの上昇も考慮すべき点です。
MG付きシャーシ
発電機(Motor Generator)を搭載したシャーシで、主に低温輸送に対応するために使用されます。
MG付きシャーシを使用することで食品や医薬品、化学工業品などでの適切な温度管理が可能になります。
通常のシャーシに比べて費用が高く、専門的なメンテナンスが必要になりますが、高度な温度管理が求められる輸送においては欠かせません。
シャーシ関連のよくあるトラブル
トラックのシャーシ関連のトラブルで最も多いのが、フレームの錆(さび)や腐食の進行です。フレームは金属製であるため、特に塩化カルシウムが撒かれる冬季の道路や海沿いの地域を頻繁に走行する車両では、錆が発生しやすくなります。
放置すると、錆が広がってフレームの強度が低下し、最悪の場合、亀裂や穴あきといった損傷につながることがあります。腐食が進むと修理が難しくなり、フレーム全体の交換が必要になる場合もあるため、早期の対策が不可欠です。
また、亀裂や歪みもフレームで頻発するトラブルの一つです。過積載や不均一な荷重、長期間の使用による金属疲労が原因となり、フレームにクラックや歪みが生じることがあります。それらを放置すると、走行中に振動や異音が発生し、安全性が損なわれる恐れもあります。振動が増加すると他の部品にも悪影響を及ぼし、トラック全体の耐久性が低下する可能性があります。
フレームの錆や亀裂、歪みを防ぐためには、定期的な点検や防錆処理が重要です。また、荷物の積載バランスを適切に管理することも、フレームの長寿命化に寄与します。日常的なメンテナンスを怠らないことで、シャーシのトラブルを未然に防ぐことが可能です。
トラックのシャーシについて
トラックのシャーシは、車両全体の骨組みとして、エンジンや車軸、ボディを支える存在で、2軸シャーシや3軸シャーシ、MG付きシャーシなどの種類があります。シャーシ関連のトラブルを防ぐためには、日常的な点検や防錆処理などのメンテナンスが欠かせません。
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