滋賀の運送会社といえばT‐WINと呼ばれるように。
全国展開よりも、地域に根差した会社にしたいですね。
琵琶湖にほど近い滋賀県大津市勧学に本社を構えるT‐WIN株式会社。
同社は家具の配送組み立てを中心とした事業を行う、2024年に稼働したばかりの新進気鋭の企業だ。開業から数か月、これからに期待が膨らむ新設の企業だが、お客さん目線に立っての丁寧な接客で着実に事業拡大の一歩を歩んでいる。
代表取締役社長・川村諒氏、取締役副社長・藤原宏之氏にお話を伺った。
【T-WIN株式会社】
設 立:2023年10月
住 所:滋賀県大津市勧学一丁目5-18-104
事業内容:家具の配送及び設置組み立て、事業者向け引越し業
保有車両:小型6台
従業員数:22名(社員7名、アルバイト15名)
T‐WINについて教えてください
川村社長(以下・川村):当社は2024年の9月に営業許可が下りたばかりなので、会社として本当にこれから始まるという感じですね。事業内容は家具の配送をメインで行っています。扱う家具は家庭用のものからオフィス用までと幅広く、配送だけではなく組み立てもやってます。他にも事業者を中心に引っ越し作業も行っています。
現在、従業員数は社員が7人でアルバイトさんが15人。社員はドライバーも兼ねながら、アルバイトさんにはスポットとして主に家具等の重い荷物の運搬などをお願いしています。
起業されたきっかけを教えてください
川村:元々以前の勤め先も同業種だったのですが、働く中で色んな思いがあり独立を決心しました。現在勤務してくださってる従業員の方も以前の職場の方たちなんです。「川村さんと一緒に仕事がしたいです」というありがたい言葉を言っていただいて今のT‐WINがあります。本当に信頼できるメンバー達ですね。以前の会社に勤めている中でもっと自身の理想に近い環境で働いてみたい、もっと新しい事に挑戦してみたいという気持ちが湧いたんですよね。そこから起業したいという思いに至りました。ついてきてくれたみんなには本当に感謝しています。起業の準備に関して言えば、車両はトラックランドの営業担当の方に集めていただいて、開業するにあたり必要な従業員数も、前の会社のメンバーがついてきてくれたのでかなりスムーズに進みました。
動き始めた時期でいうと、2023年の9月に以前の会社を退社して、翌月の10月にT‐WINを立ち上げました。2024年3月に営業許可を申請して、その年の7月に営業許可が下りました。その後、準備期間を経て9月に営業を開始いたしました。営業許可がおりるのが最低半年という話を聞いていたので、かなりスピーディーに事が動いたと思います。
苦労した点、エピソードはありますか?
川村:先ほど営業許可の話がありましたが、申請に関しては大変なことも多かったです。例えば車庫についてですと、本当は事務所近辺で借りたかったのですが地域的に車庫の登録ができない土地が多かったんです。今は少し離れた場所に借りてます。ただその場所を決める際も運送業許可の要件で、事務所から10㎞以内にしないとですが「事務所から琵琶湖を含め直線距離で測れば要件を満たせるのでは?」など知恵を絞りながら決めました(笑)
トラックランドを知ったきっかけは何でしょう
藤原副社長(以下・藤原):元々トラックランドさんを知ったきっかけが、開業に向け車を探している時に同業の知り合いが近畿販売センターの看板を見たんです。「あそこなら車があるんじゃないか?」と教えてくれたことがきっかけです。そこからすぐに電話をさせていただきました。
利用してみての感想はいかがでしたか?
藤原:最初電話したときに急いでいたこともあって「車両が用意できなければ他を探します」ってちょっと厳しい言葉を言ったんですよね。そしたら「なんとかします!」っておっしゃっていただいて、営業担当の方には頑張っていただきました。きつい言葉でしたけど、これに応えてくれたら僕はこの方のことを信用しようって思ったんですよ。電話口だけですとお互い証明するものがないですから。そこは双方マッチできたかなと思います。現在の保有車両は全部で7台ですが、トラック6台のうち4台はトラックランドさんで購入させていただきました。
川村:車両購入の決め手は、値段ときれいさのつり合いがちょうどよかった点です。他社さんと比べた時に同じようなきれいさのものですと、もうちょっと値段が高価でした。こうして欲しい、ああして欲しいなという要望に対応してくださったこともポイントでした。整備していただけるという点は本当にありがたいですね。
藤原:本当にそうですね。すごくきれいにして車を持ってきていただいたので、ウチの従業員からもとても評判がいいです。購入してよかったなと思っています。
業務のこだわりについてお聞かせください
藤原:家具配送という事業に関してですと、企業さんより一般のお客さんと接する機会が多いんですよ。なので接客という面においては 、他社と差をつけたいという思いが強いです。そういったことは従業員も徹底してもらってる部分です。その甲斐あってか、他の業者さんと比べた時に接客が良かったというお言葉をいただくこともあります。そういったお声があると取引先の方に信用していただけますし、自信をもって取り組めますね。
川村:運送業で接客っていうイメージは薄いと思うんですけど、他社さんであっても結局人と人のやり取りなので対応を間違えると会社の評判も下がりますし、重要視しないといけないなと感じています。
藤原:お客さんに喜んでもらうことでご依頼いただいたお店に声が届いて、わざわざお電話でお礼の言葉をいただくこともありました。そういった関係から次の仕事へと繋がったこともありましたし、同業他社に対して差別化できるという点で強みになりますね。
今後の取り組みをお聞かせください
川村:現在の仕事は運送会社さんの下請けで受けることが多いんです。なので下請けとしてではなく、直接取引できる会社さんを増やしていきたいですね。もう一つの取り組みとして倉庫業に携わりたいというのがありまして、こちらも同時に進行中です。会社の目指すべき方向としては、従業員に対し労働時間を減らして職場環境が整った状態で働かせてあげたいということが目標です。その中で給料も増やしていければと考えています。そもそも「T‐WIN株式会社」の名前の由来が「Two Win」。「Win Win」という意味でつけているんですけど、従業員に対しても取引先に対しても「Win Win」の関係を築いていきたいというのが僕らの目標ですね。どちらかに傾いてもダメなのでお互い支えあうことができればなと考えてます。
これからの展望はありますか?
川村:私は生まれが滋賀県なのですが、滋賀好きなんですよね。大阪や京都に行けば仕事はたくさんあるんでしょうけど、やっぱりこの場所で仕事がしたいなって。なので会社のこれからに関しても全国に展開したいというよりは、滋賀の運送会社といえばT‐WINだなって言われるような、地域に根差した会社にしていきたいです。
インタビュー中「実は申請書類の準備はすべて奥さんが…」と嬉しそうに話す川村社長。インタビューを見守っていたのは、川村社長とはご夫婦の関係である川村有依氏。会社の総務としてT‐WINを設立から現在まで下支えしてきた。藤原副社長からの信頼も厚く、同社の設立に欠かせない重要な立役者だ。インタビュー後の写真撮影中も「表情が硬いよ(笑)」と活気づける姿に社内の弾んだ空気を感じた。駆け出したばかりのT‐WIN株式会社。これからの活躍にますます期待が寄せられる。