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特定技能ドライバー採用の現状は?受け入れ事例も紹介

まなびのコラム

特定技能ドライバー採用の現状は?受け入れ事例も紹介

物流・運送業界では慢性的な人手不足が続く中、新たな人材確保の選択肢として「特定技能ドライバー」の活用が進んでいます。制度開始当初は情報不足や手続きの複雑さから導入を慎重に検討する企業も多く見られましたが、近年では実際に受け入れを進める企業も増えてきました。

一方で、特定技能ドライバーの受け入れに興味がありながら実際には取り組みが進んでいない企業が多いのも事実でしょう。

今回の記事では、特定技能ドライバー採用の最新動向を整理するとともに、受け入れ事例を交えながら、制度活用のポイントを解説します。

特定技能ドライバーとは?

在留資格「特定技能」を取得し、日本の物流・運送業界でドライバーとして就労する外国人材を指します。人手不足が深刻な分野において、即戦力となる人材を受け入れることを目的に創設された制度で、一定の技能水準と日本語能力を有していることが前提となっています。

特定技能ドライバーは、単なる補助的な労働力ではなく、日本人ドライバーと同様に運行業務や付随業務に従事できる点が特徴です。そのため、所定の技能評価試験や日本語試験に合格していること、日本の自動車運転免許を取得していることなど、明確な要件が設けられています。

その制度により、企業は計画的かつ継続的な人材確保が可能となり、外国人材にとっても安定した就労環境でキャリアを築くことができます。

外国人ドライバー採用の現状

外国人ドライバー採用の現状

物流・運送業界では、少子高齢化や働き方改革を背景に、ドライバー不足が慢性化しています。そうした状況を受け、外国人ドライバーの採用、とりわけ特定技能制度を活用した人材確保が現実的な選択肢として注目されるようになりました。制度自体の認知度は高まりつつあり、業界全体として外国人材の活用に関心が集まっているのは事実です。

一方で、実際の採用は慎重に進められているのが現状です。ある調査では、運送会社の8割以上が人手不足を感じているにもかかわらず、6割以上が特定技能外国人ドライバーの採用に消極的であることが分かっています。

参考:運送従事者への実態調査を実施。「特定技能外国人ドライバー採用」については6割以上が採用に消極的。一方で認知度96.3%、人手不足感83.7%。運行の安全性と現場摩擦が懸念材料に。

外国人ドライバーの採用における課題

外国人ドライバーの採用における課題

最大の課題として挙げられるのが、安全運行に直結する日本語能力と運転技術への不安です。交通ルールや業務指示を正確に理解できなければ、事故やトラブルにつながる恐れがあるため、採用前後の日本語教育や運転研修の充実が不可欠となります。

既存の日本人ドライバーとのコミュニケーションや文化の違いも大きな課題です。価値観や働き方の違いが現場での摩擦を生むケースもあり、受け入れ側の理解促進や職場全体でのフォロー体制づくりが求められます。定期的な面談や多言語でのマニュアル整備は、有効な対策といえるでしょう。

さらに、採用や教育にかかる費用負担、在留資格申請などの手続きの煩雑さも企業にとってはハードルとなっています。それらの課題に対しては、登録支援機関の活用や行政の支援制度を上手に取り入れ、長期的な視点で人材育成と定着を図ることが重要です。

特定技能ドライバー受け入れ事例

特定技能ドライバー受け入れ事例

特定技能ドライバー制度の運用が進むなか、すでに各地で受け入れ事例が生まれています。

ここでは、受け入れ事例を2つ紹介します。

関西エリアにある運送会社では、登録支援機関と連携し、外国人ドライバーを段階的に受け入れています。特徴的なのは、安全運転と定着を最優先にした教育体制です。採用後は、日本語学習支援に加え、ドライブレコーダー映像を活用した運転評価や、必要に応じた実技指導を継続的に実施。

着任初日には手続きや職場紹介に同席するなど、心理的な不安を軽減する工夫も行われています。そうした継続的なフォローにより、企業側は安心して雇用を進められる環境を整えています。

参考:【特定技能ドライバー活用の最前線】外国人ドライバーが大阪の日本トランスネットに着任

関東エリアにある大規模運送事業者では、長年課題だった応募不足と高齢化への対策として、特定技能ドライバー採用を本格化。独自の海外ネットワークを活用し、若手外国人材の母集団を形成した結果、従来は月1名程度だった応募数が、月間10名規模まで増加。

定期的に複数名の面接を行うことで、意欲の高い人材を安定的に確保できる体制を構築しています。現在は、早期戦力化を目的とした集中的な育成プログラムを進め、将来を見据えた人材確保につなげています。

参考:採用難を解決した外国人ドライバー採用事例

外国人ドライバーを採用する場合には

特定技能ドライバー制度は、深刻化するドライバー不足に対する有力な対策として注目されています。一方で、制度の認知度は高いものの、安全性や日本語能力、現場でのコミュニケーションへの不安から、採用に慎重な企業が多いのも現状です。

しかし、実際の受け入れ事例では、登録支援機関との連携や継続的な教育体制の整備により、安定した採用と定着を実現しているケースも見られます。重要なのは、制度を理解したうえで、自社の課題に合った採用方法やサポート体制を構築することです。計画的に取り組むことで、特定技能ドライバーは将来の物流を支える貴重な戦力となるでしょう。

この記事を監修した人

この記事を監修した人 トラックランド管理人:高良

神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
これまでに監修した記事は200件以上!中古トラックに関する豊富な知識と経験を活かし、中古トラック業界の最新情報やお役立ち情報を発信しています。

実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。

趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。

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