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トラックのオーバーヒートの症状・原因は?対処法についても

まなびのコラム

トラックのオーバーヒートの症状・原因は?対処法についても

オーバーヒートは、エンジンの過熱によるトラブルで、早急な対応が必要です。エンジンの温度が異常に高くなることで、車両の性能低下や深刻な故障につながる可能性があります。

今回は、オーバーヒートの主な症状や原因を分かりやすく解説し、トラブル発生時の対処法についても紹介します。

オーバーヒートについて知りたい方や、トラックで起こり得るトラブルを把握しておきたい方は参考にしてください。

トラックのオーバーヒートの症状

トラックでオーバーヒートが発生すると、様々な異常が現れ、放置すると重大なエンジントラブルを引き起こす可能性があります。まず、ダッシュボードの水温計が異常に高い温度を示すのが典型的な症状です。メーターが赤いゾーンに達したり、警告灯が点灯したりすることでオーバーヒートを示します。また、エンジンルームから白い煙や蒸気が発生する場合もあり、それは冷却水が高温で蒸発している状態です。

エンジンの性能に影響が出ることもあり、加速が著しく鈍くなる場合、すでに深刻な状態まで進行している可能性があります。異臭が発生することもあり、焼けたゴムのような匂いがする場合は、オーバーヒートによる部品の損傷が疑われます。

オーバーヒートの主な原因

オーバーヒートの主な原因

オーバーヒートの主な原因として「冷却水漏れ」「サーモスタットの故障」「ラジエーターやホースの詰まり」「冷却ファンの故障」「エンジンオイル不足」などが挙げられます。

冷却水漏れ

冷却水不足は、トラックがオーバーヒートを起こす主要な原因の一つです。エンジンは運転中に大量の熱を発しますが、その熱を冷却水によって効率的に放散することで、適切な温度を維持しています。冷却水が漏れて量が不足すると、放熱が不十分となり、エンジン内部の温度が上昇します。冷却水漏れの原因としては、ラジエーターやホースの劣化などが挙げられます。

サーモスタットの故障

サーモスタットはエンジンの冷却水の流れを制御する役割を担っており、エンジンが適切な温度を保つために重要な部品です。その部品が正常に作動しなくなると、冷却水が正しく循環しなくなり、結果としてエンジンの温度上昇につながります。

具体的には、サーモスタットが開かない場合、冷却水がラジエーターに送られず、エンジン内で循環したまま熱がこもってしまいます。一方で、サーモスタットが閉じっぱなしになると、冷却水がエンジン全体に行き渡らず、冷却が不十分になります。

ラジエーターやホースの詰まり

冷却水の温度を下げるラジエーターや、冷却水を循環させるためのホースが詰まると冷却水の流れが妨げられ、エンジンの熱が適切に放散されなくなります。詰まりの原因としては、冷却水に含まれる不純物やサビが蓄積して固まり、ラジエーター内部やホースを塞いでしまうことなどが挙げられます。

冷却水を長期間交換せずに使用している場合、それらの不純物が増加し、詰まりやすくなります。ラジエーターキャップ周辺から冷却水が漏れる、またはホースが膨張して破裂する場合もあり、それらは冷却システムの詰まりを示すサインです。

冷却ファンの故障

冷却ファンの故障もオーバーヒートの発生原因として挙げられます。冷却ファンの故障により、適切に冷却されなくなると、エンジン温度が上昇します。故障の原因としては、ファンモーターの不具合や電気配線の断線、センサーの故障などが挙げられます。特に、センサーがエンジン温度を正確に検知できていないことが原因で、ファンが作動しなくなることが多いです。ファンブレード自体が破損している場合も冷却効率の低下につながります。

エンジンオイル不足

エンジンオイルはエンジン内部の部品を潤滑し、摩擦による発熱を抑えると同時に、エンジン内部で発生した熱を分散させる役割があります。そのため、オイル量が不足すると、エンジン内の摩擦が増加し、オーバーヒートにつながることがあります。オイル不足の原因は、オイル交換の頻度が不十分であることや、オイル漏れ、エンジン内部でのオイル消費量の増加などが挙げられます。

オーバーヒートが発生した場合の対処法

オーバーヒートが発生した場合の対処法

トラックのオーバーヒートが発生した場合、迅速かつ適切に対応することで、さらなるトラブルや深刻な損傷等を防ぐことができます。

以下はオーバーヒートが発生した場合の基本的な対処法です。

まず、安全な場所に車両を停車させましょう。オーバーヒートはエンジンが異常な熱を持っている状態なので、すぐに停車してエンジンを停止することが重要です。そして、ボンネットを開けてエンジンルームの温度を下げます。ただし、そのときは火傷のリスクもあるため、直接触れるのは避け、手袋やタオルを使用したほうが良いです。

また、ラジエーターキャップには触れないようにしましょう。冷却水が高温高圧状態で噴き出す危険があります。その後、異常が続く場合は、無理に運転は再開せず、ロードサービスなど専門業者のサポートを受けましょう。そして適切な点検、整備を受ける必要があります。

オーバーヒートでの修理費用

オーバーヒートでの修理費用

トラックがオーバーヒートした際の修理費用は、故障の部位や修理内容によって大きく異なります。以下が修理費用の目安になります。

冷却水の補充・交換
冷却水の補充や交換だけで済む場合、費用は比較的安価で、数千円~1万円程度が相場です。

サーモスタットの交換
交換費用は部品代と工賃を含めて1万円程度が目安です。

ラジエーターの修理・交換
一部部品が故障している場合は、部分交換で済むこともありますが、全体の交換が必要になる場合もあります。費用は2~6万円程度が目安です。

エンジンの交換
オーバーヒートが原因でエンジンに深刻なダメージが及んだ場合、エンジン交換が必要になることがあります。トラックのエンジン交換の費用は高額で100万円以上かかります。

トラックのオーバーヒートについて

トラックのオーバーヒートは、放置するとエンジンや冷却システムに重大な損傷を与える可能性があるため、迅速な対応が必要です。冷却水漏れや関連部品の不具合などが原因として挙げられます。オーバーヒートが発生した場合でも適切に対処すれば、大きなトラブルに発展するのを防ぐことができますので、落ち着いて行動しましょう。

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