物流・運送業界に携わっていると「宵積み」という言葉を耳にする機会があるのではないでしょうか。運送業務の効率化を図るうえでは、その特性を正しく理解しておくことが大切です。
今回の記事では、宵積みの定義や一般的な流れをはじめ、そのメリット・デメリットなどを解説します。運送業務の効率化をお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
宵積みとは?
宵積み(よいづみ)とは、翌日に配送する荷物を、前日の夕方から夜のうちにトラックへ積み込んでおくことを指します。「宵」は日が暮れて間もない時間帯を意味する言葉で、その名の通り、夕方以降に積み込み作業を行うことからそう呼ばれています。
一般的な流れとしては、ドライバーがその日の配送業務を終えて帰庫したあと、あるいは荷主の倉庫や物流センターで、翌日分の荷物を積み込みます。積み込みが完了したトラックは、そのまま営業所や指定の場所に駐車され、翌朝、ドライバーが出勤してそのまま配送先へ向かうという流れになります。
宵積みは、長距離輸送や早朝配送が必要な現場を中心に行われている運用方法です。特に、翌朝早い時間に出発する必要がある場合や、荷主側の倉庫が夜間に荷物を出せる体制になっている場合などに採用されることが多くなっています。
当日積みとの違い
宵積みと対比される運用方法が「当日積み」です。当日積みとは、その名の通り、配送する当日に荷物を積み込む方法を指します。早朝から配送するケースでは、出発前の朝に積み込みを行うことになります。
そのため、当日積みの場合、朝の時間帯に積み込み作業の時間を確保しなければならず、出発までに一定の時間を要します。
どちらの方法にも異なる特性があるため、荷物の内容や配送のスケジュール、現場の体制などに応じて、適した方法が選ばれています。
宵積みのメリット

宵積みの主なメリットとして以下のことが挙げられます。
翌朝の業務をスムーズに始められる
宵積みの最大のメリットは、翌朝の業務をスムーズに始められる点です。前日のうちに積み込みが完了しているため、ドライバーは出勤後、すぐに出発することができます。
当日積みの場合、朝の限られた時間のなかで積み込み作業を行う必要があり、荷物の量が多いときや、ほかの車両と作業が重なったときには、出発が遅れてしまうこともあります。その点、宵積みであれば、朝は車両の点検や日常業務の確認を済ませるだけで出発できるため、時間的な負担を軽減し、比較的余裕を持って業務を開始できます。
配送スケジュールに余裕を持たせられる
一日の配送スケジュール全体に余裕が生まれるのも宵積みのメリットのひとつです。朝の積み込み時間が不要になる分、早い時間に出発でき、その後の行程にゆとりを持たせられるためです。
スケジュールに余裕があれば、途中で渋滞や悪天候といった予期せぬ事態が起きても、対応しやすくなります。無理な運転をせずに済むため、安全性の向上にもつながるでしょう。
余裕のあるスケジュールは、ドライバーの精神的な負担の軽減にもつながり、結果として、サービス品質の安定にも寄与します。
荷待ち時間の削減につながる
荷待ち時間の削減につながる点も、宵積みのメリットの1つです。朝の時間帯は積み込みを行う車両が集中し、倉庫や物流センターで順番待ちが発生することがあります。
宵積みによって積み込みの時間帯を前日にずらすことで、朝の混雑を避けられれば、荷待ち時間を短縮できる可能性があります。また、積み込み作業を複数の時間帯に分散できるため、倉庫や物流センター側の作業負担を平準化しやすくなる点もメリットです。
ただし、夕方から夜間にかけても車両が集中する物流拠点もあるため、宵積みを行えば必ず荷待ち時間を削減できるとは限りません。荷主や物流拠点の稼働状況を踏まえ、効率的な時間帯に積み込みを行うことが大切です。
宵積みのデメリット

宵積みの主なデメリットとしては、以下のことが挙げられます。
拘束時間が長くなる場合がある
デメリットとしてまず挙げられるのが、拘束時間が長くなる場合がある点です。その日の配送業務を終えたあとに翌日分の積み込みを行う場合、作業時間が延び、退勤時間が遅くなる可能性があるためです。
退勤が遅くなると、翌日の始業までに十分な休息時間を確保できなくなるおそれがあります。休息が不足した状態で運転を続ければ、疲労の蓄積によって集中力が低下し、安全な運行にも影響を及ぼしかねません。
トラックドライバーには、改善基準告示によって拘束時間や休息期間などの基準が定められています。そのため、宵積みを取り入れる際は翌朝の業務効率だけでなく、積み込み作業を含めた労働時間全体を考慮し、十分な休息を確保できる運行計画を立てることが大切です。
荷物の管理・盗難のリスクがある
荷物を積んだ状態で、長時間にわたってトラックを駐車しておくことになるため、荷物の管理面でのリスクも生じます。
特に注意したいのが、盗難のリスクです。夜間の駐車中に、荷物や車両そのものが盗難被害に遭う可能性は否定できません。人目につきにくい場所での駐車は、特にリスクが高まります。
また、荷物の品質管理という観点でも注意が必要です。荷物によっては、温度や湿度の変化によって品質が損なわれるものもあります。夏場の高温や冬場の低温にさらされる時間が長くなることで、荷物の状態に影響が出るおそれもあるでしょう。宵積みを行う際は、セキュリティの確保された場所に駐車することや、荷物の特性に応じた対策を講じることが求められます。
予定変更に対応しにくい
前日の時点で積み込みを完了させているため、急な予定変更に対応しにくいという点も、デメリットの1つです。
たとえば、翌朝になって荷物の追加や変更、キャンセルといった連絡が入った場合、一度積み込んだ荷物を下ろして積み直す必要が生じることもあります。荷物の量が多い場合や、積み込みの順序が決まっている場合には、大きな手間と時間がかかってしまいます。
また、配送先の都合による順路の変更などにも、柔軟に対応しづらくなります。積み込みは、配送する順番を考慮して行われるため、順路が変われば、積み方も見直さなければならないケースがあるためです。変更が生じやすい配送業務においては、宵積みが必ずしも適しているとは限らない点を理解しておく必要があります。
宵積みを行う際には

今回は、運送業界における宵積みの定義や当日積みとの違い、メリット・デメリットなどを解説しました。宵積みは、翌朝の業務をスムーズに始められ、荷待ち時間の削減にもつながる有効な運用方法です。
一方で、ドライバーの拘束時間が長くなりやすい点や、荷物の管理面でのリスクもあるため、そうした点に配慮しながら、無理のない運用を心がけることが大切です。
中古トラックを購入するならトラックランド
トラックの買い替えや増車を検討されている場合には、中古トラック専門店「トラックランド」にぜひご相談ください。ご希望の車両が在庫にない場合でも、条件に応じた最適な1台を、スタッフがお探しすることが可能です。
また、グループ会社では、車両登録、車検、整備、陸送に対応しています。特殊車両や大型車両にも対応しており、法人・個人を問わず幅広いニーズにお応えしていますので、お気軽にお問い合わせください。
この記事を監修した人
トラックランド管理人:高良
神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
これまでに監修した記事は200件以上!中古トラックに関する豊富な知識と経験を活かし、中古トラック業界の最新情報やお役立ち情報を発信しています。
実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。
趣味は野球観戦で、休日には球場でリフレッシュするのが楽しみの一つ。
「月刊トラックランドオンライン」にて、中古トラック選びのコツや業界の最新情報を発信中。
ぜひチェックしてください!





