冬の道路や生活環境の安全を守るうえで欠かせない存在の「除雪車」。積雪地域では、通勤・通学や物流を支えるために、様々な場所で除雪車が活用されています。
ただ一口に除雪車といっても、雪を押しのけるタイプや飛ばすタイプなど様々な種類があり、その構造や用途は異なります。
今回の記事では、除雪車の主な種類やその特徴、用途の違いに加え、運転に必要な免許・資格についても解説します。除雪車の種類を知りたい方や、導入を検討されている方はぜひご覧ください。
除雪車の種類
それでは早速、除雪車の主な種類とその特徴、用途などを解説します。
ロータリー除雪車

前方に取り付けられた回転式のブロワー(投雪機)で雪を掻き込み、遠くへ飛ばして除雪するタイプの除雪車です。積雪量が多い地域や、雪を道路の脇に寄せられない都市部・山間部の道路などで使用されています。
オーガと呼ばれる回転ドラムが雪を細かく砕き、ファンによって高圧で雪を吹き飛ばす仕組みのため、硬く締まった雪や吹き溜まりの除去も可能です。除雪幅が広く、一度に大量の雪を効率良く処理できることから、空港の滑走路や高速道路、主要幹線道路など広範囲の除雪作業に欠かせない存在です。
その一方で、構造が複雑で整備や点検に手間がかかるほか、オーガの回転力が強いため安全管理が求められます。
除雪グレーダー

車体中央に取り付けられた大きなブレード(刃)で雪を削り取り、押しのけるタイプの除雪車です。ロータリー除雪車のように雪を飛ばすことはできませんが、圧雪や凍結した路面を削るのに効果的で、特に長期間積もった硬い雪や、除雪後の仕上げ作業に適しています。
道路の凹凸を均一にし、タイヤチェーンによる轍(わだち)や圧雪の段差を除去することで、安全で走行しやすい路面を維持できます。大型タイヤによる走破性が高く、幹線道路や山間部など、広範囲の除雪作業にも対応可能な種類です。また、ブレードの角度や高さを作業状況に応じて微調整できるため、きめ細かな除雪や路面整形にも向いています。
ただし、機体の大きさと重量から小規模エリアでの作業には不向きな種類であり、操作にも技術が必要です。路面状況を見極めながらブレードの動きを繊細に調整するスキルが求められます。
除雪ドーザー

ブルドーザーに大型のブレード(排土板)が装着された雪を押し除けるタイプの除雪車です。強力な推進力と高い除雪能力があり、積雪量が多い地域や、雪を道路脇や指定場所に寄せる必要がある場面で活用されています。広い駐車場や空港、工場敷地内などでも使用され、短時間で大量の雪を処理できるのが特徴です。
雪を物理的に押し動かす方式のため、雪の飛散を抑えつつ効率的に除雪できます。また、車体の重量とクローラー(無限軌道)から安定性が高く、深い雪や凍結した悪路でもしっかりとグリップして走行可能です。
加えて、ブレードの角度や高さを自由に調整できるため、除雪だけでなく雪の集積や整地作業にも柔軟に対応できます。
除雪ダンプ

除雪作業で集めた雪を一時的に積み込み、指定の雪捨て場まで運搬するための車両です。一般的なダンプトラックに除雪用のフロントプラウ(排雪板)を装着して使用するケースが多く、雪を押しながら走行しつつ、荷台に積んだ雪を効率的に搬出できるのが特徴です。
市街地や住宅街など、雪を飛ばすスペースが限られている地域では特に重宝されます。ロータリー除雪車やグレーダー除雪車が路面の雪を掻き寄せ、ダンプ除雪車がそれを運搬するという分業体制によって、作業効率を高めることが可能です。
また、車体サイズや駆動方式も豊富で、狭い路地向けの小型タイプから、大量輸送が可能な大型車両まで幅広く活用されています。除雪後の交通を円滑に保つためにも欠かせない存在です。
除雪車の運転に必要な免許・資格

除雪車を運転するために必要な免許や資格は、車両の種類・サイズ・作業場所などによって異なります。一般的に、ロータリー除雪車や除雪グレーダーなどの大型除雪車を公道で運転する場合は、「大型特殊自動車免許」が必要です。
一方、ダンプ型除雪車のように一般車両をベースにしたタイプであれば、車両の総重量に応じて普通免許・中型免許・大型免許のいずれかで運転可能です。
また、実際の除雪作業を行うためには、「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」や「除雪機械操作講習」の受講が求められるケースもあります。作業現場などによって条件が異なるため、使用前に必ず必要な免許・資格を確認しておくことが重要です。
除雪車の種類を選ぶ際のポイント

除雪車を選ぶ際は、使用目的と作業環境を明確にすることが大切です。広範囲の積雪を処理する場合は、効率的に雪を飛ばすことができるロータリー除雪車が適しています。一方、道路の凹凸をならしながら除雪する場合は除雪グレーダー、狭いエリアや駐車場などでの作業にはドーザー除雪車が向いています。
また、道路や施設の雪を運搬する必要がある場合は、除雪ダンプのように雪を積み込み・排出できるタイプが求められます。作業エリアの広さ、雪の質、除雪後の処理方法などを考慮し、業務内容に最も合った車種を選ぶことが重要です。さらに、維持費や免許要件、部品交換のしやすさなども事前に確認しておくと安心です。
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除雪車の種類について
除雪車は、地域や環境、作業内容によって最適な種類が異なります。道路の雪を飛ばす「ロータリー除雪車」、圧雪を削る「除雪グレーダー」、狭い場所でも力を発揮する「除雪ドーザー」除雪作業で集めた雪を運搬する「除雪ダンプ」など、それぞれ種類ごとに特徴があります。用途や現場環境に合わせて選ぶことで、効率的かつ安全な除雪が可能です。
また、操作には大型特殊免許や建設機械の資格が必要な場合もあるため、導入前にしっかり確認しておくことが大切です。
この記事を監修した人
トラックランド管理人:高良
神奈川県出身。株式会社タカネットサービスの9年目の社員。
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実際のトラック販売やメンテナンスにも精通しており、読者にとって有益な情報をわかりやすく提供することを心がけています。
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