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株式会社 近江商運
代表取締役 寺村 肇氏


「過去も今もこれから先も、お客様第一の気持ちを忘れない」

滋賀県湖南市の草津伊賀線(国道4号線)沿いに、ずらりと並ぶ大型クレーンや平ボディ。
フロントキャブやミラーはメッキ付でカラーリングが統一され、
どの車両を見ても新車のように輝いていた。令和3年に創業60年を迎えた運送会社、
株式会社近江商運(以下、近江商運とする)の代表取締役社長寺村肇氏にお話を伺った。

創  業:昭和36年11月
本社住所:滋賀県湖南市石部口二丁目1番1号
車  庫:滋賀県湖南市石部口一丁目977号
従業員数:16名
販売車両:FRアルミウィング
     FR平ボディ

Q:創業当時から湖南市石部で営業されていたのでしょうか。

A:先代の時代から石部地区で営業をしています。

当社は私の父である先代社長が創業し、今年60周年を迎えました。

Q:当時は何を運ばれていたのでしょうか。

A:牛や豚などの家畜飼料や、他の運送会社から委託された荷物を配達していました。

当社創業前は、先代社長が寺村商事という名前で家畜問屋を経営しておりまして。その工場が神戸市内にあり、神戸に8t車で毎日飼料を取りに行っていたんですよ。
こっちへ持ってきた飼料は、1t車や2t車で運んでいました。

Q:飼料問屋から運送業に転向されたきっかけとは?

A:先代が知り合いから配達の仕事を依頼されたことがきっかけです。

当時先代の知り合いに、滋賀県野洲市で大きい運送会社所長をしていた方がいたのですが、その方から「毎日行きは空車で飼料を引取りに行くなんて勿体ない。その隣の会社にうちは荷物を毎日運んでいるので、それを運んではくれないか」と依頼されて、運送業の許認可を取得して近江商運を立ち上げ、飼料問屋から運送業に転向しました。
現在メインで配送しているのは屋外の電柱などの電気資材です。クレーン車で資材置き場や電柱置き場など全国の現場に配送しています。近年は九州に資材を運搬することが多いですね。
荷主様は電力関連資材の製造や販売を行っている会社で、45年前から少しずつ配送をご依頼いただき、今では専属運輸部みたいになっています。

Q:保有している車両についてお聞かせください。

A:全部で今15台保有しています。平ボディとクレーン車の割合が半々です。

アルミウィングや福利厚生用の大型バスも1台ずつ保有しています。
お客様のご要望にあわせて車を導入し、それが1台また1台と増えて現在の台数になりました。  

Q:ご入社されたのはおいくつのころでしょうか。

A:18歳の時に入社しました。

もうこの業界に入って40年になります。18歳を迎えた5月に即免許を取得してから2t車で高校近隣の彦根市まで配達をしていました。学校帰りに私を手伝い「トラックええわ」とそのまま当社に就職してくれた友人もいましたね。

高校卒業後は体育教師になろうと思っていたんです。車は好きでしたし、いずれは父の跡を継ごうと考えていましたが、やはり最初は自分がなりたかった体育教師に。
私は中学の頃、陸上の全国大会に出場し好成績を出しました。それが近江高校陸上部のスカウトマンの目に留まり、声をかけていただき近江高校に入学しました。
在学中は陸上部に所属し部長も務めました。今孫に自慢できるのは、滋賀県のリレーメンバーに選ばれた経験だけです(笑)
その時に陸上部顧問の先生に良くしていただき尊敬の念を抱き、大学に進学し体育の勉強がしたいと思っていたのですが、父が最終の三者懇談で「仕事が忙しいから家業を手伝うように」と最終の進路希望用紙に印鑑押して帰ってしまいまして。高校3年の正月から卒業を待たずに本格的に仕事を始めました。父の跡を継ぎ社長に就任したのは20年ほど前です。
体育教師にこそなれませんでしたが、日本陸上競技連盟に加入し審判員になりました。6年前まではこの町の体育協会に所属し副理事を務めたこともあります。日本陸連の審判員の許可だけは、3年に1度講習を受けて持っています。

Q:トラックランドをご利用になったきっかけは?

A:トラックランドの近畿販売センターに来店して購入させてもらったことです。

以前からトラックランドさんを知っていたのですが、懇意にしているディーラーの営業マンから近畿販売センターの方を紹介いただいて。名前をどこかで聞いたことがあるなと思ったら、昔その方がディーラーの営業マンをされていたころに車を購入したことがありましたね。3年前に日野の大型アルミウィングを購入し、今年は日野の大型平ボディを購入しました。
すぐ仕事があるのに新車の納期が8か月後。トラックがないことにはどうしようもないという状況の中、車両を探してもらい購入しました。今年購入した車両は、7月に山口方面行き専属の為に使用しています。

Q:車両のこだわりを教えてください。

A:当社は全台メッキ付車両に統一しています。

こだわりというか、車が好きなので。当社のコーポレートカラーと共に形状を問わずメッキ付に統一しています。

Q:2021年よりSNSに投稿されておりますが、どのような経緯で始められたのでしょうか。

A:若い人に当社に来ていただきたいと思い、SNSで情報発信を始めました。

主に息子の妻がInstagram・TikTok・HPに投稿しています。
ちょっと車両を動かす時に動画を撮影し、編集も自社内で行っています。

Q:今後のビジョンを教えてください

A:これからもこの先も、お客様に迷惑をかけず真面目に仕事に取り組む。

次の世代の人も同じ気持ちで忘れずに仕事をして欲しいというのが私の思いですね。
従業員も息子もお客さん第一で仕事を行ってくれている。
うちの営業マンみたいな形で仕事をしている次男が、今度当社荷主のお客様である大手電力会社より表彰していただくことになりました。
お客様の資材置場は納品時に手前にばらばらに置かれることがよくあり、そうすると古い資材が奥に置かれてとれなくなってしまう。息子はそうならないようにいつもサービスで入れ替えするんです。その作業中に大手電力会社の上層部の方が偶然視察に訪れ、近江商運と書かれたトラックの看板をご覧になったそうです。ある日荷主様から「息子さんがようやってくれるから表彰すると、電力会社の上層部の方から電話が掛かってきてん」と連絡がありました。年明けの表彰式には息子が夫婦で行くことになっています。当社にとっては本当に名誉なことです。
それとお客様からご指名や車両の指定もあり、当社の何号車の車に来て欲しいと。いつも綺麗な車だって。
当社のことを意識してくださるのは嬉しいですね。


愛車のハーレーで、バイク仲間と早朝集合してツーリングすることが好きな寺村社長。
他社の方とツーリングをしたことがきっかけで、専属の仕事が決まったこともあるそう。「趣味でお客さんいただいておりますわ」と満面の笑みで語ってくださった。
「孫も車好きで、じいちゃん何号車に乗りたい!トラック乗せて!と言うので乗せてあげます。ハンドルもって遊んで。どれ乗っても一緒やで。って言うんですけどね。1日全車乗りました。最近はバスバス言うて遊んでおります。これも跡継ぎになるかと思っていますけどね」と予想する寺村社長。
休日の近江商運の車庫では、3人のお孫さん達の楽しそうな笑い声が響いていた。

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