月刊トラックランドONLINEとは

ユーザーボイス

株式会社クリエイターボックス
TLUX運営責任者 久保 貴史 氏

オープン:2020年10月13日
出店場所(2021年2月時点):東京都渋谷区 渋谷BEAM前
購入車両:バランスバン

新たなトレンドに沿い、果敢に挑戦

神奈川県横浜市育ちで、大学卒業後すぐ東京都渋谷区内にて7年間に3軒のバーを経営。
円山町で経営していた頃に株式会社クリエイターボックス代表取締役 篠崎友徳氏(オーナー兼広報担当)と出会い、2020年9月に日本初のバートラックBAR TRUCK MEDIA 「TLUX」を下北沢でプレオープン。10月13日に本オープンし現在は渋谷の商業施設前に出店している。
バーテンダーとして現場で活躍されている株式会社クリエイターボックス TLUX運営責任者久保貴史氏にお話を伺った。

トラックなら家賃いらず

―BAR TRUCK MEDIA「TLUX」を
始めようと思ったきっかけを教えてください。

2020年春に渋谷で新規出店を計画していたノンアルコールバーのオープンを延期したのがきっかけです。
私は大学を出てすぐに渋谷で7年間、合計3軒のバーを経営していました。うちの篠崎と共にノンアルコールバーをオープンしようとしていた矢先、目に見えぬ脅威により緊急事態宣言が発令されてしまい、開店を延期することにしたんです。その残念でした会を行っていた時に、私が「この状況下でお店構えていると家賃が掛かって大変ですよね。以前、家賃が掛からないトラックでお店を経営する企画を考えたことがあるんですよ」と篠崎に言ったら、彼が「今の時流に合った企画だね。明日までに見積り出せますか?久保君早いから出来るでしょう?」と、BAR TRUCK MEDIA「TLUX」の企画がとんとん拍子に決まり、現在はここ渋谷の商業施設前で営業しています。

―店舗営業と比較して良かった点を教えてください。

いつでもどこにでも行けるっていうのが大きいですね。飲食店は一旦構えたらその場所に腰を据えるほかありませんが、その点トラックだと時期とか物・事・人に合わせて自由自在に移動できるのがいいところかなと。今の時代に関していえば、3密は回避出来ているし、外なのでそこは利点かなと思います。

BAR TRUCK MEDIA「TLUX」誕生


―トラックランドから購入したバランスバンを架装し、本格的なバー仕様にされておりますが、
最初からバランスバンを購入・架装しようと思っていたのでしょうか?

そうです。ウィング車も検討したのですが、
真ん中から開く仕様だと雨風が入ってしまうので、バランスバンが良いなと思い、トラックランドのHPで丁度良いバランスバンを見つけて寸法などの仕様を確認の上で購入しました。オーナーも私も即行動するタイプなので、問い合わせから納車までスムーズに行っていただきとても助かりました。

―バートラックの架装はどちらで行われたのでしょうか?

神奈川の作業場で作りました。塗装だけは、その作業場が汚れてしまうと大変なので別の所です。

―架装は久保様も携わっているのでしょうか?

うちのカーリノベーションデザイナー(氏家北斗氏)に施工のアドバイスをもらいながら、設計・部材調達・施工全て私がメインで架装作業をしました。
作業場で「これってどうやるの?」なんて教科書ではわからないことを彼に聞きながら完成させました。

―設計もご自身でなさっていたのですね。
CADも勉強されたのでしょうか?

そうです。渋谷で店舗を経営していた際に、ソフトをダウンロードして図面を引いたりしていたので、購入前に細かく聞いたトラックの寸法に沿ってCADで図面を書き出し、どこに何本ビスを打つのかまで詰めました。設計図は荷台が真四角なのでそんなに苦労せずに出来ましたよ。

―施工時に苦労された点はありますか?

床板に苦労しましたね。潰れているビスを全部外すのに1日かかったんです。
また、外装は雨が降ったら出来ないので天候待ちも結構ありました。時間がない時は1人がビニールをムササビのように広げて1人が塗りましたね。

―完成までどのくらいの日数がかかったのでしょうか?

工期は納車されてから完成まで8日間でした。天候待ちがなかったら2日間で完成できるのではないかと、カーリノベーションデザイナーと話しています。

―11月に2台目の車両をご購入いただきましたが、同じ架装をなさるのでしょうか?

2台目はビールに特化したパブトラック仕様に架装しようと思っています。基本はこのバートラック同じですが、ビールサーバーをカウンターに置いて、最近流行しているクラフトビールに特化した商品を展開する予定です。

―バートラックのこだわりポイントを教えてください。

改良が重ねられた階段。 螺旋状仕様になっている。

一番のこだわりは、トラックの中にいることを忘れてもらえるような造りです。カウンターのハイチェアに座った時、正面はトラック感ゼロになるように。また、天井のライトはそのままにして、トラック感をあえて残しています。新品感を出さないようにわざと削ったりして何年かやっているかのような見た目にしています。
仕上がったと思っても、出店してからあれやこれや気が付いて毎週仕様が変わっています。
実は、中に上がるための階段はバージョン4なんです。最初は直線階段でしたが最終的に螺旋階段仕様に落ち着きました。

―商品が並んでいると移動するのは大変ですよね。

そうですね。車を動かす際は商品を車両の下に隠しているコンテナに収納、家具類はカウンターの下に収納しています。15分ほどでここを全部片付けて移動することが出来ます。

―メニュー表に記載されている「モクテル」について教えてください。

「モクテル」は欧米を中心に流行しているノンアルコールカクテルです。作ったきっかけは、お酒が好きだけど飲みたくても飲めない方やお酒が苦手な方でも気軽にお酒を飲んでいる雰囲気を味わっていただけたらいいなと思いまして。
私自身がバー経営を始めてからサービスのクオリティを維持するために好きだけど飲まないようにしているので、お仕事上飲みたくても飲めない方にも楽しんでいただきたいですね。


―一番人気の「モクテル」とこだわりについて教えてください。

ジントニックですね。ジンに使用される主原料のハーブ・ジュニパーベリーやカルダモンをこの場で摺って入れています。当店ではジントニック・レモネード・サングリア・モヒート全部アルコールを一切入れずに作っています。おススメはジントニックとレモネード。レモネードは汎用性があるので、お客様に何かおススメのものをというオーダーが入るとレモネードをベースにしたドリンクをお出しすることが多いです。また、その時々で旬の食材を使用し、お客様にはここでしか飲めないオリジナルドリンクを提供しています。

「日本では欧米と比べて『モクテル』の知名度は低いです。美味しい『モクテル』を作ればより浸透していくと思いますので、うちでは日々味の改良を重ねています」と久保氏。
提供されているメニュー表には、50種類の豊富なドリンク名が並ぶ。3密を避けながら楽しめる店内にはエアコン2台と外に石油ストーブ1台が設置されており、冬場の時期でも暖かいところで飲むことが出来る。また、来店者層は30代以降で9割の方がウイスキーなどを頼まれることが多いそうだ。「渋谷で提供する頻度が多いカシスオレンジは、オープン3か月間に3杯だけ。意外と出ないんですよ」と、久保氏。
昼間の時間帯は様々な企業とタイアップし、昨年12月から2月までの3か月間は、週3回チャコールコーヒー専門店「C COFFEE BAR」として営業をしている。

※昼間提供しているシーコーヒーは1袋30杯分で2ヶ月からサブスクリプションで発送定期購入も行っている。

今後の展望

色々な所に出店してみたいですね。今は繁華街に出店していますが、例えばオフィス街や山とか海など。最近グランピングキャンプが流行っていますよね。
以前、神奈川のキャンプ場に出店したことがあり、その際はお店を開けるとすぐに「飲みに来ていいですか」と多くのお客様にご来店いただきました。場所が変わればそれだけ見える景色も変わるので、様々な場所に出店したいと思っています。

「もし、今年の春に事態が収束したら、大手企業のビル前や商業施設などの前にトラックを並べて、我々がお花見会場を作りたいですね。メーカーとタイアップして3密を回避した新時代の花見を見せられればなって。みんなハッピーなのかなと。商業施設も大手を振って人集められるし、メーカーはプロモーション出来て、うちはクリエーター出せて、メディアも盛り上がると思います」と、意気込みを語ってくれた。久保氏は世の中のライフスタイルの急激な変化を捉まえ、新たなトレンドに果敢に取り組んでいく。
(本記事は2020年11月26日の取材に基づいた内容となっております。)

詳しい出店場所や営業時間は公式サイトをご確認ください
BAR TRUCK MEDIA 「TLUX」

中古トラックの耐用年数と減価償却の計算方法前のページ

最高級グレードの軽バンで配送ニーズに対応次のページ

カテゴリー

月刊トラックランド本誌の定期購読ご希望の方はこちら
月刊トラックランド本誌バックナンバー
働くクルマの総合サイトトラックランド
PAGE TOP