トラックを長年使用していると、寿命や故障、買い替えのタイミングで廃車手続き検討をする必要が出てきます。トラックの廃車手続きは基本的に普通車と変わりませんが、廃車を検討する上での特有の注意点があります。
今回は、トラックの廃車手続きに必要な書類や手続きの流れをわかりやすく解説するとともに、発生する費用の目安、廃車を検討する際の注意点についても紹介します。
トラックの廃車の種類
トラックの廃車に関しては、普通車同様に「永久抹消登録」と「一時抹消登録」に分けられます。
永久抹消登録
トラックを完全に廃車する際に行う手続きで、使用を永久に終了することを意味します。この手続きが行われると、登録番号（ナンバープレート）が抹消され、車両は公道を走行できなくなります。
永久抹消登録を行うケースとしては、トラックが老朽化して修理が不可能な状態になった場合や、事故で重大な損傷を受けた場合、また海外輸出や部品取りに回される場合などが挙げられます。なお、永久抹消登録を行うことで、自動車税や重量税などの還付を受けることができます。
一時抹消登録
トラックの使用を一時的に中断する際に行う手続きです。永久抹消登録と同様にトラックのナンバープレートを返納し、公道を走行することはできなくなりますが、再登録を行うことで再び使用することが可能です。
一時抹消登録を行う主な理由としては、トラックを長期間使用しない場合や、保管状態にしておきたい場合、または一時的に維持費を削減したい場合などが挙げられます。手続き後は自動車税が課されなくなるため、維持費の削減につながります。
一方で、一時抹消登録をしたトラックを再び使用する場合は、新たに車検を受ける必要があり、再登録の手続きも必要です。一時抹消登録は、トラックを完全に廃車するわけではなく、将来的に再利用する可能性を考慮した場合の選択肢です。
トラックの廃車手続きの流れ
ここからは、トラックの廃車手続きで必要な書類や、手続きの流れを解説します。
必要な書類
①車検証（自動車検査証）
廃車手続きにおいて必須の書類です。紛失した場合には再発行も可能。
②ナンバープレート
永久抹消登録、一時抹消登録のどちらの場合でもナンバープレート（前後2枚）を返納する必要があります。
③印鑑登録証明書
所有者の印鑑登録証明書が必要です。発行日から3ヶ月以内のもの。
④所有者の実印
書類への捺印に使用します。所有者が法人の場合は、法人の実印が必要です。
⑤解体証明書（永久抹消登録の場合）
解体業者から発行される書類で、車両の解体が完了したことの証明になります。
委任状（代理人が手続きを行う場合）
所有者以外が手続きを行う場合に必要です。
手続きの流れ
永久抹消登録と一時抹消登録で提出する書類や流れに若干違いはありますが、基本的には同じです。
トラックの廃車手続きの一般的な流れは以下の通りです。
①車両の解体（永久抹消登録の場合のみ）
永久抹消登録を行う際には、まず車両を解体する必要があります。解体業者に依頼し、車両の分解や適切な処分を進めてもらいます。そして解体が完了したことを証明する解体証明書を受け取ります。
②陸運局で申請書の記入・提出
管轄の陸運局にある申請書に必要事項を記入し、書類を提出、ナンバープレートを返納します。そして廃車証明書を受け取ります。永久抹消登録の場合には、車両解体後15日以内に手続きを行う必要があります。
③還付金の手続き
廃車手続きが完了した後、未使用期間分の自動車税や重量税の還付申請を行います。その手続きによって、廃車した時点からの未使用分の税金が返金されるため、忘れずに申請しましょう。還付金は指定した銀行口座に振り込まれます。
廃車にかかる費用について
トラックを廃車にする際には、費用が発生します。ここでは、永久抹消登録と一時抹消登録に分けて費用を解説します。
永久抹消登録にかかる費用
まず、トラックの解体に費用がかかります。サイズによって異なりますが、1～3万円程度が目安です。また、トラック購入時にリサイクル料を支払っていない場合は、追加で1～2万円の支払いが必要です。
リサイクル料は新車購入時や車検時に支払っている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。行政書士に登録抹消手続きの代行を依頼する場合は、1万円程度の費用がかかります。
一時抹消登録にかかる費用
一時抹消登録の場合は、登録手数料として350円が必要です。以前は書類用紙の購入費用が発生していましたが、現在は無料です。
永久抹消登録と同様に、行政書士に手続きを依頼する場合には、1万円程度の費用が発生します。
トラックの廃車を検討する際の注意点
トラックの廃車を決定したら、できるだけ早く手続きを進めたほうが良いです。業務に直結しないため、後回しにされがちですが、手続きが遅れると還付金が減少する可能性があります。さらに、年度を跨ぐと新たに費用が発生し、手続きの手間も増えてしまいます。
また、トラックは状態によっては買取が可能なケースもあります。使用期間が長く、不具合があるトラックでも買取の対象になることもあり、買取であれば、解体費用や手続きの手間を抑えられるだけでなく、買取金額を受け取れる経済的なメリットもあります。
そのため、廃車手続きを進める前に、まずは買取業者に査定を依頼して、車両の価値を確認するのがおすすめです。状態によっては思わぬ金額での買取となる可能性もあるため、廃車と買取のどちらが最適かを慎重に検討してみてください。
トラックを廃車にする場合には
トラックを廃車にする際には、永久抹消登録や一時抹消登録などの種類の違いや、必要書類、流れをしっかり理解しておくことが重要です。
また、車両の状態によっては買取が可能な場合もあるため、廃車手続きを進める前にぜひ一度、専門業者に査定を依頼してみてください。買取であれば、解体費用や手続きの手間を抑えられ、経済的なメリットもあります。
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